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アキバで恥をかかないための最新パーツ事情 第4回

[特集] 自作PC中級者が“知ったか”はハズいぜ!【Vol.4】

アキバで恥をかかないための最新パーツ事情【メモリ/HDD編】

2008年04月10日 23時59分更新

文● 加藤 勝明

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 これまでCPU、マザー、ビデオカードと、古いPCの直接的な強化につながる3つのパーツの“今どき”を解説してきた。だがCPU編で解説した通り、古いPCに最新PCがそのまま搭載できる可能性は少なく、むしろマザーとセットで交換しないとダメな場合もある。そこで問題になるのが、「メモリー」と「HDD」だ。メモリーやHDDもまた、チップセットの進化に合わせて更新されていくため、古いPCのものがそのまま使えるとは限らない。

 「ありのまま今起こったことを話すぜ! CPUを強化しようとしたら、気がついたらマザーやメモリーまで購入していた(以下略)」

 なんてセリフも聞こえてきそうだが、これは決してPC業界の陰謀ではない。CPUのスピードを活かすためには、周辺のデバイスもそれなりに速くないとダメという現実を考えれば、これをいい機会と考えてメモリーやHDDも新調してしまうのが得策といえるだろう。
 そこで今回は「メモリー」と「HDD」の“今どき”をまとめて解説しよう。

「メモリー」と「HDD」

メモリーとHDDが遅いと、CPUやマザーの性能が発揮できないぞ!

メモリーは今どうなっているのか?

 どんなメモリーが使えるかは、ひとえにマザー側の設計(インテル系ならチップセットの仕様、AMD系ならCPUの仕様に依存する)により異なるが、ここ最近のメモリーの流れを簡単に言えば「DDRは完全に衰退」、「主力はDDR2」、「DDR3への移行はまだ先」というところだろう。

DDR2メモリモジュール(上)とDDR3メモリモジュール(下)との比較。切りかけの位置が明らかに異なっているのが分かる

 メモリーがDDRからDDR2/DDR3へ移行していく理由は、メモリーが低速なままだとCPUの足を引っ張ってしまうからだ。CPUが何かを処理する場合、必要なプログラムやデータは全てメモリーから読み取るワケだが、CPUの処理速度に対してメモリーに出し入れできるデータの量が少ないと、そこがボトルネックになる。そうならないためにCPUの高速化に伴ってメモリーも動作クロックを上げて転送性能を上げるよう進化してきたのだ(ちなみに、世代が進むにつれて動作電圧が下がり、発熱や消費電力もわずかだが下がっている)。

CPUの高速化に伴ってメモリーも動作クロックを上げている。動作クロックが上がるとチップからの発熱が多くなるため、高速なメモリは写真のようなメモリーチップの冷却板(ヒートスプレッダ)を装備している

 この転送性能の指標となるのが、メモリー価格表にズラズラと並べられている「DDR2-800」とか「PC2-6400」といった型番のようなコードだ。厳密にいうと「DDR2-800」というのはメモリーの上に載っている黒いチップの動作クロックの上限を表し、「PC2-6400」というのは、そのメモリー全体(メモリーモジュールとも呼ぶ)での転送速度(6400なら6.4GB/秒)を示した値だ。この関係をまとめると以下の通りになる。

世代 チップ側の規格 モジュールの規格 主な対応チップセット・CPU
DDR 400 PC3200 965P、Athlon64 X2(Socket 939)など
DDR2 533 PC2-4200 915 Expressなど
DDR2 667 PC2-5300 945 Expressなど
DDR2 800 PC2-6300 965 Express、P35 Express、
Athlon64 X2(Socket AM2)など
DDR2 1066 PC2-8500 Phenomなど
DDR3 1066 PC3-8500 P35 Expressなど
DDR3 1333 PC3-10600 X48 Expressなど
DDR3 1600 PC3-12800 現在のところ該当なし

 ここでポイントになるのは、性能がある一線を超えるとDDR→DDR2→DDR3と規格が繰り上がるという点だ。この3つのメモリー規格は一見似ているようだが、物理的形状や電気的な仕様が完全に異なるため互換性はない。どんな規格のメモリーが使えるかはマザーの設計によって決定されるため、自分のマザー(使いたいマザー)がどのメモリーに対応しているかをまず判断する必要がある。

DDR2/3両対応

DDR3とDDR2の両方のメモリーに対応したマザーもある。スロットの形状が違うため、DDR2とDDR3を差し間違えることはない。ただ、DDR2と3の混在はできないため、とりあえずDDR2を使って、いずれDDR3を増設しようというのは無理

 今のマザーは非常に安価になったDDR2をサポートするのものが大多数を占め、パフォーマンス重視のユーザー向けのマザーではDDR3専用になっている。DDR2より前のDDRメモリーが使えるマザーはもう絶滅したといってよいだろう。DDR3は確かに速いがまだ値段もこなれていないため、マザーごとメモリーも購入するならDDR2がベストだ。主力のインテル製チップセット(P35 Express)やAMD製CPU向けマザーなら、DDR2-800メモリーとの組み合わせがベストだ。

(次ページへ続く)

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