松下電器産業(株)の「LUMIX FX」シリーズはここ最近、広角レンズの搭載や自動シーン認識など次々と新機能を盛り込んでいる。新モデルの「DMC-FX500」もタッチパネル入力に対応し、それに合わせてさまざまな新機能を追加した高機能モデルだ (関連記事)。
DMC-FX500は、1/2.33インチ有効1010万画素CCDや広角25mm相当のレンズなど、基本性能はほぼ「DMC-FX35」(関連記事)に準ずる。
違いとしては、ズーム倍率がFX35の4倍(25~100mm相当)から5倍(25~125mm相当)に増えた点、背面の液晶ディスプレーが3インチに大型化し、タッチパネル付きになった点などが挙げられる。マニュアル露出モードも搭載する。FX35と比べるとひとまわり大きく、同じく3インチ液晶パネルを搭載する「DMC-FX55」(関連記事)とほぼ同サイズとなっている。
撮影モード選択用のモードダイヤルは搭載していない。背面右上にMODEボタンが用意されており、アイコンをタップすることで撮影モードを選択できる。ストラップに挟み込める平たいスタイラスが付属しているが、指でも違和感なく操作できる。
新たに装備されたマニュアル露出系の機能もタッチパネルで操作する。撮影モードをA/S/Mにすると液晶画面の右側と下側にスライダーが表示され、指やスタイラスで動かすことでシャッター速度/絞り/露出の値を変更できる。
新機能の「タッチ動体追尾AF/AE」機能は、画面をタッチするとそこにピントと露出が合うのはもちろんだが、そのままカメラをパンさせたり被写体が動いたりした場合でもAF点が追尾する点が面白い。動く被写体に対する自動追尾AFはカシオ計算機のEXILIMシリーズ、タップした位置へのAFはソニーの「Cyber-shot T300」などが搭載しているが、FX500は両方の機能をあわせ持つ。
再生時は、タップした位置へのズームや左右スクロール、再生時のメニュー選択などがタッチパネルで行なえる。レタッチはリサイズやトリミング程度で、画像上の手描き文字描画などは装備されていない(文字列としてのタイトル編集は搭載されている)。
このほかの操作性は従来のLUMIX FXシリーズとほぼ共通で、カーソルの代わりにジョイスティック状のコントローラーを装備するのはFX55と同様。液晶パネルが大型化したことも関係しているのだろう。
スティックを押し込むとメインメニューがディスプレー上に表示される。本体右下にあるQ.MENUボタンを押せば、画面上部にアイコン列の並ぶクイックメニューが表示され、撮影時の各種設定をすばやく選択できるようになっている。面白いことに、これらの従来型インターフェースに関してはタッチパネルをまったく利用せず、ボタンとスティックでの操作となる。