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東方の三賢者が贈る、日本へのアドバイス

個の時代がやって来る──中島×小飼×津田・鼎談(中編)

2008年04月09日 12時00分更新

文● 斎藤温、撮影●曽根田元、聞き手●広田稔/トレンド編集部

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英語はどうすべきか?


── マネージメント能力に加え、ここ数年、「技術者は英語を学べ」とも言われています

小飼 英語の必要性を肌で知っているか、というのは非常に大きいです。小国の人っていうのはそれを肌で知らざるを得ない。英語を話せないデンマーク人とかオランダ人っていうのに僕はあったことがないですね。小国というのは外に目を向けざるを得ないので。今、元気なところは小国が多いですね。

中島 そうだね。サムソンやノキアは、一企業でその国の外貨の20%を稼いでいたりする。日本は国内市場が大きくなり過ぎているから、そういう企業がないんだよね。

津田 日本のコンテンツ業界はそれが顕著で、国内的に中途半端に市場があって保護されていたような産業は外に出なかったんですね。日本語で歌うビジュアル系バンドが欧州で人気を博したりもしていますし、言語は外に出ない絶対的な理由ではなかったと思います。

 逆にゲームは、業界的に保護されてなかったし、「子供の遊びだ」「ゲームばかりやってるとバカになる」といったイメージが付いてしまって、社会的にも非常に評価が低かった。そうした理由もあって早くから海外に進出して、結果的にそれがうまくいったという部分はあるのではないでしょうか。

小飼 大体、世界で戦うのにどの国出身っていうのは関係ないですよ。ノキアの連中に「国内市場が小さくて大変だったでしょう」なんて言ったら笑われちゃいます。

 ソフトウェアの世界は特にそれが顕著で、「個」対「個」の世界なんですよ。「日本」対「米国」の世界ではないんですね。これはほかの産業でもそうなんですけども、国としての特徴というのはあんまり気にしない業界なんです。だから日本人だからどうこうという話はあまりない。

中島 グーグルも多分自分たちのことを「米国の会社」だなんて思ってないはず。ただの「会社」だと考えている。



言葉じゃなくても、相手を説得しちゃえば勝ち


中島 個人の話に戻すと、今後のキャリアを考えたときに、日本に限定するか、それとも世界を見るのかによって全然違います。特にこれから10年、20年経ったらひょっとしたら中国のエンジニアの方が給料が高いかもしれない。中国にいったほうが幸せになれるかもしれないでしょ。

 で、そういう時代に備えるためには、やっぱり言葉でコミュニケーション出来なきゃダメで。もう英語が共通語なんだから。これから10年、20年エンジニアとして食っていきたいんだったら英語くらいやれよということです。

小飼 厳密に言うと、英語も含めたコミュニケーション能力ですね。だから、喋りが上手くなくても、例えばすごいソフトウェアのデモとかできればそれは英語力と同等になります。

 ゲームの世界で起きたことっていうのはまさにそうですよ。英語はしゃべりが流ちょうである必要はない。相手を説得しちゃえば勝ちなんだから。

中島 もしくはソースコードでもいいんだけどね。「こんなソースコード書くやつがいるのか!」っていう話ですね。すごいプログラムを書くヤツが偉いんです


*後編はこちら


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