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ニコニコムービーメーカーが、動画編集に対応しない理由──インターネット村上社長に聞く(前編)

2008年04月03日 09時00分更新

文● 高橋暁子

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ニコニコ動画は発表の場として有意義


 ニコニコ動画のコミュニティーについてはどう見ているのか? 村上氏はその存在意義を高く評価する。

村上 作ったものを発表できる場として有意義。DTMソフトに携わってきたが、作っても出口がないことが、以前からの課題だった。プロには曲を作る明確な理由があるが、コンシューマーにはない。映像も同じ。発表できる場ができ、そこで反応がもらえるのは文化としてすばらしい。

 ニコニコ的な文化について村上氏は、「2ちゃんねると非常に似ていて、匿名性がキーになっている」と話す。

 同時に「しかしこれは確固としてあるものだから、そこを否定してもどうしようもない。逆に受け入れてやっていくしかないのでは」とも語る。

村上 (数多くある動画共有サービスの中でも)ニコニコ動画は、もっともユーザー参加型という色彩が強いサービスだと思う。YouTubeも動画をアップするという意味では参加型だが、ニコニコ動画はアップしていない人もコメントによって作品に参加できる。全ユーザー参加型だと思う」と話す。



初心者が動画を作るきっかけになりたい


 「初心者に動画を作る文化を浸透させたい」と村上氏はNMMの可能性を語った。

村上 これまでは動画が作りたくてもツールの存在を知らなかったり、flv形式への落とし方が分からないなど「作れない理由」があったのでは。間口を広げるきっかけにできれば。

 「開発の費用は持ち出し」と村上氏は言う。

村上 ドワンゴから費用をもらう方法もあったが、それによって請負になってしまうと独自の展開が考えにくくなる。独自性を持って続けていけるように、リスクをかぶった。今後は逆にこちらからこうしたいと提案していくつもり。

 開発が開始されたのは昨年12月で、約3ヵ月でできあがったという。ほかの製品と共通な部分が多いので、ニコニコムービーメーカーのためにはswf形式にする部分、静止画の編集部分、ニコニコ動画へ直接アップする部分などに手を加えただけで済んだ。NMM独自の部分は、アプリケーション全体では20%くらいになる。

 今後については、動画の扱いをどうするかが一番のネックだという。

村上 できるだけ簡単に、しかも高画質な動画を作れるようにしていきたい。エフェクトの部分をどうするかについても考えている。まだまだ機能は少ないが、これからバージョンアップするので、どんどん使ってみてほしい。月に数回はアップデートしていくので、ユーザーと一緒に成長していきたい。

 まずは無償版の機能アップを徹底させる。今後、有償版についても視野に入れていくという。

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