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【短期連載】Bentoの魅力 第2回

【短期連載】Bentoの魅力

BentoをあえてLeopard専用にした理由

2008年04月02日 13時00分更新

文● MacPeople編集部

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finare 2008 米ファイルメーカー社とは?
使いやすく高機能なデータベースソフト「FileMaker」の開発・販売元として知られる、シリコンバレーの代表的なソフトウェアメーカー。前身は米クラリス社(Claris Corporation)。1998年2月に米ファイルメーカー社(FileMaker, Inc.)に社名変更し、「FileMaker」に全面的に特化。「FileMaker」をいち早くマルチプラットフォーム(Mac OS、Windows、Web)に対応させるなど、世界中で積極的なビジネスを展開中。10周年の節目の今年は、名前が日本文化に由来するパーソナルデータベースソフト「Bento」をリリース。米アップル社(Apple Inc.)の100%子会社として、新たな成長分野への投資や技術革新を進めている。

「iTunes」のような使い勝手のよさを思い描いて開発を進めました

ドミニーク・グピール社長

「これからの10年もデータベースの企業として生き続け「Bento」と「FileMaker」をより進化させていきます」と力強く語る米ファイルメーカー社長ドミニーク・グピール氏。前身のクラリス時代から数え切れないほど来日している日本通だが「日本語はさっぱり」とのこと

──「Bento」はLeopard専用ですが、最新OSに絞った狙いは?

Tigerへの対応も検討しましたが、Leopardが搭載するCore Animationをはじめとする描画機能や、写真を扱うImage Kitなどを使うことで製品の魅力をさらにアップさせられると考え、対応OSを絞り込みました。

──Mac OS X以外のプラットフォームへの展開も考えていますか?

今後Windowsで展開していくかどうかについては、現在のところまったく決まっておりません。記者発表会でも申し上げましたが、アップルの成功を活用し、我々もアップルの成功に同調していくという方針で、当面はマックに注力していきます。

──Bentoの開発期間は?

Leopardが発表された'07年10月より、もちろん前から開発は始めていましたが、実際に何カ月前からと言うことは申し上げられません。ただし、Bentoの構想自体はずっと以前に思いつき、ビジネスと技術の両方の面からアイデアを練っていました。具体的には、アップルが'05年にiWorkを発表したことがきっかけでした。ワープロ、表計算、プレゼンテーションの分野で、従来とはまったく違った新しい切り口のソフトを提案しているのを見て、データベースの分野で我々が同じようなことができるのではと考えたわけです。

──iLifeやiWorkなどのアップル製品に近いと感じますが、アップルと協力して開発を進められたのですか?

はっきり申し上げておくと、ファイルメーカーは、別の会社名、別のロゴを使って事業を展開しています。アップルの一部ではありますが、一般の開発者向けに提供されているパブリックなAPIを使ってすべてを開発しています。その一方で、アップルから非常に多くのインスピレーションを受けているのは確かです。もともとBentoは、iWorkの補完的な製品として開発しました。インターフェースは、iTunesのような使い勝手のよさを思い描きました。

──付属のテンプレートは英語版と日本語版でまったく同じなのでしょうか?

テンプレートやテーマは世界共通です。現在Bentoの活動の一環として、フォードバックを得るための日本語でのフォーラムを開始ずみで、ユーザーの感想や提案といったものを緊密にモニタリングしています。そこでのフィードバックに基づき、日本の市場で新たなテンプレートを提供する必要があるということが判明したら、もちろん取り組んでいきます。

──iCalとアドレスブックのデータ以外の読み込みに対応する予定は?

すでに、FileMakerやMailとの統合要求をいただいています。しかし、現時点で何を統合する、統合しないという判断は時期尚早かと思います。の統合要求をいただいています。しかし、判断は時期尚早かと思います。我々としては、「アドレスブック」を最初に統合したことを強調したいですね。FileMakerの販売を通じて実感したのですが、多くのユーザーがデータベースソフトで管理する重要な項目はコンタクト情報なのです。ものよりは人について把握しておきたいからこそ、データベースを使っているのです。そこで最初にアドレスブックの統合が重要だと判断しました。

──北米での反響はいかがでしょうか?

「Business Week」をはじめとするメディアから高く評価されています。ブログなどでも反響をいただいており、非常に好感をもって迎えられています。フォーラムでは、非常にポジティブなコメントのほか、テンプレートやテーマ、集計項目などにこういった要素も取り入れてほしいという要求もいただいております。

──北米とヨーロッパではマックの市場が非常に拡大していますが、日本市場はそれほど顕著ではありません。今の日本市場をどうとらえられていますか?

アップルの売り上げやシェアについてはコメントできませんが、ファイルメーカーとして言えば世界全体の売り上げの20%は日本市場が占めています。これはシリコンバレーが拠点の企業の中では類を見ない高い割合で、日本は長年の間我々に成功を与えてくれた市場と言えます。

──ファイルメーカーは10周年を迎えられたとのことですが、今後10年の目標について教えてください。

あくまでデータベースの企業として生き続け、BentoとFileMakerを今後も進化させていきます。また、データベースの分野で新しいことに取り組んでいきたいですね。

ドミニーク・グピール社長、宮本社長

ドミニーク・グピール社長と、日本法人の宮本社長。宮本社長によると、「日本での価格については、名前が日本文化に由来していることもあり、日本のユーザーが気軽に使えるお求めやすい価格を自分自身が米国本社に提案した。賛同を得て承認されたことがなにより」とのこと

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