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古田雄介の“顔の見えるインターネット” 第21回

個人運営の「越えられない壁」とは?──10年続いたネタ絵投稿サイト・朝目新聞

2008年03月31日 09時00分更新

文● 古田雄介

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サイト管理の苦痛は2~3年で慣れた


── サイト運営はすべて一人でこなしているんですか?

机器猫 そうですね。載せる際の編集を自分でやりたいという思いが強いんですよ。これだけ遅れているんだから、誰かに協力してもらったほうが多分いいんでしょうけど……。


── 特集の作成だけでも相当な作業量になると思います。1日にどれくらいの時間をかけているんですか?

机器猫 集中してやるときは一日中ですが、普通は3~4時間です。その時間で、特集用の画像をセレクトして適度な大きさにサイズを変更したり、ニュースサイトを巡回したりしています。あとは、掲示板の管理とかですね。

S板

掲示板のうち最上級の「S板」に投稿される作品は、どれもハイクオリティー。画像は机器猫氏も大好きという九十九氏のネタ絵

── たまに普通の掲示板のほうに愚痴をこぼされていますが、もめごとなどもあって、サイトの管理は大変そうですね。

机器猫 朝目新聞がネットで認知されてからの2~3年は苦痛も感じましたけど、多少のことならもう慣れっこですよ。騒ぎになることのパターンもある程度は分かっていますし、対応する際のポリシーは変化しつつも定まっていますので、昔ほど大きなストレスになってはいません。

 それに、もめ事自体が一時期より減っています。また、昔は稚拙なイラストを連投するような荒らしが多かったですが、そういうのも目立たなくなってきた。


── あとは下ネタやエロの許容範囲でもめるとか、そういう部類ですかね。

机器猫 そうですね。そういう人の好みで意見が対立するのは、もめ事の中でも一番解決しようのない部類でしょう。今の方針としては、単なる好みの問題であれば受け付けないようにしています。デリケートで難しいところですが。


── そうしたトラブルは、対応を誤ると「炎上」して大変なことになります。膨大な案件をうまく収めているのには、何かコツがあるんですか?

机器猫 あまり意識していませんね。双方の言い分を聞いて、臨機応変にやってきただけですから。

 ただ、サイト運営の方針は一環していないといけないでしょう。サイト発足時から継続的に守る必要はありませんが、同じ時期に対処の方針が案件ごとに違っていたりすると、周りの人が混乱しますから。とにかく、そのときのポリシーに従って、「言うべきことは言う」というスタンスが大切だと思います。反論があったとしても、ここは引かないのが肝心です。

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