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A4インクジェット複合機

レビュー:Colorio PX-FA700

2008年04月09日 09時00分更新

文● 柴田文彦

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顔料インクならではの秀逸な文字印刷品質


 インクは全色顔料系なので、文書印刷の品質は極めて良好だ。

 実際にテキスト文章を普通紙に印刷しても、濃度が高くにじみもほとんど見られない。輪郭がシャープで文字形状も正確に再現されている。一方、専用紙に印刷した写真の画質も、色再現性が鮮やかで自然な仕上がりだ。階調表現力はフォト専用機より劣るものの、肉眼では粒状感はほとんど気にならない。

Colorio PX-FA700

顔料インクを採用しているため、コピー用紙などの普通紙に印刷したときでも黒文字の品質はかなり良好だ。9ポイントの小さな文字でも、フォントの違いまで十分に認識できる

4色とはいえ専用紙に印刷した写真品質は、彩度も高く鮮やかな色再現性が得られた。ハイライトの白トビやシャドウ部のつぶれ、階調性も肉眼では気にならない。右は、左の写真を原寸スキャンしたデータ(72dpi)を400%で拡大したもの

 画質と同じく気になるのが印刷速度。A4フルサイズの写真を「Adobe Photoshop Elements 6.0」で出力する際に要した時間は12分11秒、カラー図版を含む30ページのPDFをプレビュー経由で印刷した結果は7分11秒だった。ヘッドのノズル数が1色あたり90本と少なく、決して速いとは言えない。速度重視のユーザーには物足りないだろう。

 文字/写真の画質はともに必要十分なレベル。速度に関しては、他社製品に比べるとやや見劣りするものの、ファクス機能付き複合機としての用途を考えれば納得できるトータル性能だ。


【Conclusion】
○  4色の顔料系インクにより、普通紙上でもにじみの少ない画質を実現。ファクス機能搭載の複合機はこのクラスでは珍しく、貴重な存在だ。

×  ほかの複合機と比べてヘッドのノズル数が少ないため、印刷速度はいまひとつ。インク容量が4色とも同じではなく、黒を多くしてほしい。

(MacPeople 2008年5月号より転載)


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