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スクエニとニフティ、Flashベースのカジュアルゲームポータル事業に参入

2008年03月17日 17時31分更新

文● 編集部 小西利明

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 (株)スクウェア・エニックス(以下スクエニ)とニフティ(株)は17日、業務提携により新会社を設立し、カジュアルゲームやコミュニティー機能を提供する“カジュアルエンターテイメント・ポータル事業”に参入すると発表した。Flashベースのプラットフォーム上で展開し、サービスの開始は今夏の予定。基本料金は無料。

スクエニの和田洋一氏(左)とニフティの和田一也氏

スクエニ 代表取締役社長の和田洋一氏(左)と、ニフティ 代表取締役社長の和田一也氏

 同日、東京都内にて開催された記者説明会には、スクエニ 代表取締役社長の和田洋一氏、ニフティ 代表取締役社長の和田一也氏、新会社である(株)スマイルラボ 代表取締役社長の伊藤隆博氏が出席し、同事業参入の背景などについて説明を行なった。スマイルラボはスクエニの100%出資で設立されている。スクエニは事業運営支援のほか、サービスで提供されるコンテンツの開発支援などを行なう。一方のニフティは、サーバーや決済などシステム面支援のほか、ニフティの既存サービスを利用した集客支援を行なう。なお、サービス概要の具体的な内容については公開されていない

新会社に対する、スクエニ、ニフティの支援内容

新会社に対する、スクエニ、ニフティの支援内容

 同分野では、パソコン向けサービスはNHN Japan(株)の「ハンゲーム」が、携帯電話向けサービスでは(株)ディー・エヌ・エーの「モバゲータウン」が多くのユーザーを集めたサービスを展開している。その市場に後発として参入するスクエニとニフティは、両社の既存コアユーザーとは異なるユーザー層の獲得を目標として挙げた。

 スクエニ和田氏は新会社を設立して事業に取り組む理由について、「(既存ユーザー層が抱く)ブランドイメージと別のモノを提供するのはギャップが出る」と述べ、効果的ではないという見方を示した。そして、例えば同社のMMORPG「ファイナルファンタジーXI」のファン層など、既存の同社の客層とは別の層を狙うことで、従来捕捉できていなかった客層を、新サービスで開拓するという狙いを語った。

 既存ユーザーと異なる客層の取り込みを狙うという点ではニフティも同様で、ニフティ和田氏は同社のコアユーザー層(30~40代)とは別の、10~20代の若年層を開拓したいという。ニフティ上ですでに運営されているSNSやブログサービス(ココログ)などとの連携も図るとしている。

 前述のとおり、サービスの具体的な内容については明かされなかったが、スマイルラボ伊藤氏は同サービスを「かわいいSecond Life」と形容。メタバース(仮想世界)的なシステム上で、カジュアルゲームやコミュニティなどのエンターテイメント主体のサービスを提供するものとした。

スマイルラボの伊藤隆博氏

スマイルラボ 代表取締役社長の伊藤隆博氏

 当初はパソコンを動作プラットフォームとする点では、近年各社から提供されている3Dグラフィックスベースのメタバースサービスと同様であるが、スマイルラボの新サービスはFlashをプレーヤーとした2Dグラフィックスベースのシステムで展開される点が大きく異なる。Flashベースとすることで、ハードウェア面でのユーザー側の参入障壁を低くでき、高価で高性能なパソコンを所有していない若年層への敷居を下げるとしている。

新サービスの基本方針

新サービスの基本方針。メタバースサービスの形態を利用するが、Flashによる2Dベースで参入障壁を下げる

 サービスは基本無料で提供され、サービス内に登場するアバター用のアイテムを有料販売する「アイテム課金型」のビジネスモデルを基本とする。仮想世界上で提供されるゲームや動画、音楽の一部にも、有料での提供が計画されている。また、提供されるゲームで獲得したポイントでも、家やアバターアイテムが購入できるという。

 「今までのリソースの応用ではない」(スクエニ和田氏)というこの新サービス。現時点では具体的情報に欠けるためなんとも言い難いが、実際にどのようなサービスが展開されるのか、続報に期待したい。

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