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SaaSはまだまだ話題先行か――「普及には5年必要」とノークリサーチ

2008年03月14日 18時14分更新

文● アスキービジネス編集部

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民間調査会社のノークリサーチは、SaaS市場の現状と今後の動向について同社の見解をまとめた「SaaS市場の実態と中期予測調査報告」を発表した。「SaaSの普及には最低5年はかかる」という。


2012年には7746億円市場へ拡大


 ノークリサーチが発表した「SaaS市場の実態と中期予測調査報告」によると、2007年時点でのSaaSの市場規模は、417億円。国内のソフトウェア/サービス市場(計8兆600億円)の0.5%に相当する規模。2008年は866億円、同1%への拡大を見込み、「緩やかに成長する」(同社)。予測では、2012年にSaaS市場は7746億円規模となり、ソフトウェア/サービス市場の8%がSaaSへ置き換わるまでに成長するとしている。

 ただ、SaaS市場の拡大に向けては課題も多い。ノークリサーチでは、ベンダー側の課題として「参加ベンダーが少ない」「ビジネスモデルの変革に時間がかかる」「クライアント/サーバ型からWeb型への変更のためのコストや期間が必要」と指摘。現状は、「ユーザーが使いたいサービスがほとんどない状況」と説明する。

 一方、ユーザーサイドの課題は「データの外部保存やセキュリティに対する心理的不安」。こうした課題の解消には時間がかかると見ていて、「SaaSの普及には最低5年ほどかかるだろう」とまとめている。

 なお、同社ではSaaSを、「ベンダーが所有するソフトウェアをユーザーがネットワーク経由で利用するサービス」「技術的裏づけから従来のASPとは区別されるソフトウェアの提供形態」と定義している。

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