求める答えが出る検索エンジンでありたい
「今後、Baidu.jpは日本のユーザーの好みによって変わっていく。インデックスはただたくさんあるだけでは意味がない。実は、よく調べられる言葉は限られている。その中で有効な情報数をどのくらいあげられるかということ」
「後発なのでBaidu.jpには正直インデックスボリュームの部分ではYahoo!やGoogleの検索エンジンと差がある」と舛田氏は認める。
「天安門などの語句に対して、インデックスが少ないのでBaidu.jpが何か手を加えているのではないかと言われることがあるが、ボリュームがまだ間に合っていないだけ。中国と日本はシステムがまったく別で、日本オリジナルのものも多い。Baidu.jpは広告もないので、日本で今現在一番ピュアでオーガニックな結果が出せている検索エンジンだと自負している」
舛田氏いわく、「ひとつのキーワードでも、その後には決まった行動が伴っていることが多い」という。例えば「この会社名を入れるユーザーは購買が伴っていることが多い」などだ。専門的なことを調べたい場合も、入力されることが少ないクエリーの中でもやはり決まった行動パターンはあるそうだ。
「検索エンジンは、質問を入れたら1つの答えだけが出てくるのが最終形態と言われることがある。しかし、気付きも大事。結果がある程度の数出てくることで、当初予定していなかったものとも見比べることができるようになる。ひとつしか出なかったらかえって不便かもしれない。天気とか株価はひとつだが、たとえば『高橋尚子』を検索した場合、画像、動画、Wikiなど、何を求めているのか分からないので、安易に決め打ちしすぎるのもよくない。ユーザーニーズの分析が必要だ」
検索のクオリティーを大事にチャレンジも
最後に、今後のBaidu.jpの展開について舛田氏に聞いてみた。
「2010年には広告モデルも入れてユーザーだけではなく広告主にとってもフレンドリーな展開をしていきたい。モバイルについても進出することを積極的に検討している。
一番大切なのはあくまで検索のクオリティー。検索エンジンにユーザーが求めるものはあくまでそれであり、検索結果がきちんとしていないと意味がない。日本に進出する際にすでに進出していた企業を調べたが、最終的に求められているものは目新しいものや分かりやすい差別化ではないと考えている。これからも、愚直に検索精度を高めていくつもり。目新しい機能はいつでも展開ができる上、きちんとした検索精度の元に成り立つもの。元々のデータの品質が悪くては、その上に成り立つサービスも悪くなってしまう。ユーザーがもっとわくわくするようなことをチャレンジしていきたい」