Luiを使えば、LANやインターネットを経由して、サーバとなるパソコンをPCリモーターで遠隔操作できる。PCリモーターの画面に表示されるのはパソコン上で動いているWindows Vistaそのもので、ホームサーバPCにあるデータだけでなく、アプリケーションを含めて利用可能だ。これを「PCオンデマンド」と呼ぶ。
この方式のポイントは以下の2点。
- ネットワーク経由でつながれば、場所を選ぶことなく自宅のホームサーバPCを利用可能
- デスクトップパソコンの強力なパワーとWindows用のアプリケーション・サービスを、コンパクトな端末上で使える
「PCオンデマンド」の概念図。自宅リビングのホームサーバPCを、LAN経由で別の部屋から使ったり、インターネット経由で外からでも使える(イラスト:永野雅子) |
家庭内LANやインターネットに接続できる環境なら、(基本的には)どこからでもホームサーバPCに接続できる。家庭に無線LANアクセスポイントがあれば、寝室や書斎はもちろん、庭先やトイレからでも高性能パソコンを使えるわけだ。パソコン内の写真やビデオの閲覧から、プレゼンテーションソフトを起動してスライドを作成するといった作業まで、パソコンでやりたいことを好きな場所で行なえるのだ。
PCリモーター ノートタイプを使えば、実用的なサイズのワイド画面で、自宅のWindows Vistaパソコンをどこからでも扱える | PCリモーター ノートタイプで表示したWindows Vistaの画面。10.6型のワイド画面と1280×800ドットの解像度によって、パソコンのアプリケーションを実用的に使える(イラスト:永野雅子) |
さらに、無線LANスポットなどを使ってインターネット経由で接続すれば、外出先からでも自宅のホームサーバPCを扱える。例えば、人に渡す予定のデータをうっかり自宅に忘れたという状況でも、即座にホームサーバPCにアクセスして、PCリモーターにつないだUSBメモリーにコピーしたり、メールで送信するといったことが可能だ。
PCリモーターはノートパソコンとは違い、あくまでもリモートで動くパソコンの“ディスプレー+キーボード”のようなものだ。だから、CPUパワーを必要とする映像の再生やメモリーを大量に消費する画像編集ソフトの実行であっても、PCリモーターでは軽快に動作する。また、PDAや携帯電話のウェブブラウザーでは表示できないようなウェブページの表示も可能だ。これはPCオンデマンドの大きなアドバンテージといえよう。
PCリモーター ポケットタイプ上でWindows Vistaを使っている様子。こちらはデスクトップの画面全体を1/4に縮小して表示している状態 | PCリモーター ポケットタイプには、スクリーンの一部を表示したり、アプリケーションのウインドウサイズを、PCリモーターのディスプレー解像度にフィットするようにリサイズする機能もある |
詳しくは技術解説ページで触れるが、画面の広い範囲を一度に更新するような状況では、接続に使う回線状況が悪い(帯域が狭い)と、スクリーン描写がやや粗くなる場合もある。カーソルやキー操作には、わずかだが遅延もある。また、PCリモーターでホームサーバPCを利用している間は、PC機能をほかの人が使うことはできない。