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待ちに待った最新Windows Mobile搭載

ナビゲーション内蔵PDA Mio DigiWalker P560を触ってみた

2008年03月21日 18時41分更新

文● 垣内吾郎

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文● 垣内吾郎

 普段手軽に持ち歩いて、いつでもどこでも自分の居場所がわかるPND(パーソナル ナビゲーション ディバイス)の快適さを一度味わってしまうとなかなか手放せなくなるものだ。マイタックのMio DigiWalker C323C325、ワンセグTVを搭載したC523C525といった機種でその快適さを実感してしまった筆者のお出かけバッグのポケットにもいつもC523が入っている。

Mio DigiWalker P560
ブラックを基調にシルバーのヘアライン加工がアクセントとしていきるスタイリッシュなデザインも魅力的だ

 が、どうにも気になっていたのが、海外で展開されていたWindows Mobileの最新バージョン6を搭載したP560の存在だ。コレがあれば、PCと連携してExcelやWordのデータを閲覧したり、スケジュールを確認、今までになかった各種通信機能を活用しインターネットにつないでメールを読んだりと外出先での快適さは一層増すのにと思っていたワケだ。

 そんなP560の国内でのデリバリーがついに始まった。PNDの機能とPDAの機能が1パッケージに収まった使い心地をさっそくご紹介しよう。

P560の背面 スピーカーのホールが配置された背面。外付けGPSアンテナの端子もここにある

 まず、P560の大きな魅力のひとつがモバイル用最新のOSであるWindows Mobile 6を採用している点。インターネットやビジネス環境に対する機能がパワーアップしているのが、従来のWindows Mobile 5を搭載したPDAとの最大の違いだろう。

 例えばメールであれば、最近急激に増加しているHTMLメールに対応している。テキスト形式のメールでも内容確認はできるのだが、できれば全体のイメージを画像を含めて見ることができるのは、やはりありがたい。

側面 側面
ボディーサイズは、72×115×17.8mmとコンパクト。重さも170gと持ち歩いてもポケットに入っていることを忘れるほど。右サイドには、SDカードスロットがある。車載ホルダーにマウントするスリットが両サイドに彫られているが、単調になりがちなデザインの良いアクセントにもなっている

 また、添付されたOffice文書も閲覧に加えて編集も可能になった。たとえば、PCから転送したExcelやWordのデータを客先で確認して、変更したい数値や表記をその場で訂正するなんてことも可能になる。旧バージョンでできたらいいのにと思っていた機能だけに、これもまた便利。

天面 底面
天面には電源ボタンとストラップ用のホールのみ。底面には、USB端子の他、ヘッドフォンジャック、マイクホール、スタイラスペンが収納されている

 そして圧縮されたZIPファイルの解凍も標準状態で可能になった点も実用面で実に便利。インターネットでダウンロードしたファイルをPDA内で展開できれば、出先で添付されてきたファイルを開いたり、必要なソフトをインストールすることも可能になる。

 実際のビジネスシーンで、より使い勝手が良く、実用的な機能が拡張されている。それが、今度のWindows Mobile 6を搭載したP560なのである。いつも持ち歩くものだけにビジネスシーンで活用範囲がますます広がるというわけだ。

 そんなWindows Mobile 6の機能をバッチリ活かしてくれるのが、P560に搭載されたWi-Fiによる無線LAN機能とBluetoothの内蔵だ。Webの閲覧にせよ、データの転送にせよ、転送されるデータ量と頻度は、増加する一方。いちいちメディアを抜き差ししたり、USBケーブルで繋いでいたのでは、わずらわしいことこの上ない。ケーブルを使わずにインターネットへの接続はもちろん、Bluetoothを内蔵したパソコンや携帯電話とも接続できるのだから、これまた快適。

付属品一覧
付属のアクセサリーは、ACアダプター、USB同期ケーブル、車載用電源、車載スタンド、車載スタンドベースアダプター、P560用デバイスホルダー、ヘッドフォン変換アダプター、ストラップ。買ったその日からすぐに使える仕様だ

 例えば、普段はBluetooth内蔵の携帯電話でウェブやメールをチェック、駅や空港などの公共施設、バーガーショップやファミレスなどで無線LANを利用すれば、高速でありながら通信代を節約することも可能だ。

 また、パソコンと接続して、アドレス帳やOfficeデータを転送すれば、常に最新のデータをポケットに入れて持ち歩け、必要な時だけパソコンを携帯するという理想的なスタイルが完成する。

 また、全面下部に大きなボタンを2つ、センターにEnter機能のあるスティックを配した操作性も非常にいい。無駄なボタン類を省き、左のボタンでナビ画面に、右ボタンでWindows Mobile 6画面に一発切り替えが設定可能なのだ。細かな操作はスタイラスペンで、とっさの切り替えはボタン操作でカンタンにおこなえる。すべての動作も軽快で、サクサクと操作できる快適さは、最新PDAならではだ。上面に位置する電源ボタンは、パネル面とフラットで不用意に押してしまうことが無いデザインだ。誤操作を防ぐ意味でも有効だと思う。

 データの転送はもちろん、例えば外出時にMP3プレイヤーとして使いたいなんて使い方にもBluetoothのイヤホンを用意すれば、コードレスで楽しむことができるのだ。ナビとして車載する際にも、車内に伸びるコードは電源ケーブルのみ。

 もちろんPNDとして機能もより進歩している。もともと精度の高さで定評のあるMioシリーズなのだが、P560に搭載されるGPSモジュールは、高速動作と高精度を両立させたSiRF社のstar III。20チャンネルの衛星補足が可能で、電源投入後わずか十数秒で現在地を補足してくれる。感度も非常に高く、今までのGPSが衛星を見失いがちだったビルの谷間や林間でも、衛星をロストすることはまず考えられない(もちろん地下にでも入ってしまえば別だが……)。また、万が一ロストしたとしても、すぐに復帰してくれるのは頼もしい限り。ナビシステムにとって命綱ともいえる基本性能の向上だけに、最も注目したいポイントだ。

 そして、P560の使い勝手をより良くさせてくれるのが、地図データを拡張できる点だ。例えば、スーパーマップルなどの市販地図をパソコンで切り出してP560に転送することで、さまざまなマップをインストールできるわけだ。もちろん海外に出かけたときには、海外の地図を持ち歩けば心強いことこの上ない。この辺り、マップデータをROMで内蔵した機種を持つユーザーには羨ましい機能だと思う。

 対応するSDカードの容量は、公式には2GBのSDHC規格までなのだが、4GB、8GBの大容量ディスクも使用できたという事例もある。

主要な交差点や高速道路への分岐 目的地までの主要なポイントを一覧で表示
主要な交差点や高速道路への分岐もこれならひと目で分かる目的地までの主要なポイントを一覧で表示してくれる機能は、ドライブする上でとても便利だ

 さて、標準で搭載されているナビ機能の使いやすさも特筆ものだ。中でも間違いやすい主要な交差点や高速道路への分岐では、実際の写真を元に加工された画像が表示され、ひと目でどの方向へ進んだらいいのかが分かるのはありがたい。実際の分岐点に近いイメージの各画像を見ているだけでも結構楽しめる。同時に掲示されている方面看板とほぼ同じ方向看板画像も表示されるから、ルートを間違うことはまずないだろう。

 また、新たな車載マウントもラチェット式の角度ロック機能が付き、ワンプッシュで簡単に角度も変えられ、振動でP560が動いてしまうこともない。

メーラー、スケジューラーなど各種ソフト Windows Media Player
ナビだけでなく、メディアプレイヤーや、Officeの各ソフト、メーラー、スケジューラーなど各種ソフトが使えるのは、PDAならではWindows Media Playerを使えば、音楽はもちろん動画も楽しめるのは言うまでもない

 充実した機能に細かなブラッシュアップが施されたMio DigiWalker P560。プライベート~ビジネス、クルマ~自転車~徒歩などなどあらゆるシーンで使えるオールインワンなPDA&PND。コレ一台ですべてがまかなえるありがたい機種の登場だ。


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