2008年03月23日 23時30分更新
VPN導入事例のここに注目!
本連載では導入事例を技術面やビジネス面で考察しながら、なぜ「Group-VPN」を導入したのか? という必然性を探ってみた。では、サービスを提供する側のNTTコミュニケーションズから見て、Group-VPNの魅力やポジショニングをどのように分析するのだろうか? 同社のブロードバンドIP事業部 マーケティング部 担当部長 中山幹公 氏にサービス提供者から見た「Group-VPN」について語ってもらった。
5回に渡って導入事例を見てきたが、「Group-VPN」の導入にはそれぞれ必然性があった。大江戸温泉物語は湯屋構想の実現のために「Group-VPN」で拠点間接続を初めて行ない、焼鳥チェーンを展開する札幌開発はVPNでのスピーディな情報流通を前提にビジネスモデルを組み立てた。また、モールドベースを販売するルンキーメタルは本業を優先させるためのアウトソーシング手段として「Group-VPN」を選び、建材メーカーのクリオンはビジネスの規模にあわせてWANを柔軟に変更してきた。そして、不動産を扱うミブコーポレーションは、企業の合併とともに情報セキュリティの確保のために「Group-VPN」を導入したという経緯を持っている。詳細は各パートを参照していただきたいが、それぞれビジネスにおいて解決すべき課題が存在し、それを解決するための手段として「Group-VPN」を選択したわけだ。
こうした選択に際しては、やはりいくつかの理由がある。これまで話した通り、「Group-VPN」には安価で、セキュリティが高く、ブロードバンドを利用できるという3つのメリットが存在している。特にコスト的なメリットに関しては、取材した限り、どの企業でもかなり重要な要素であった。一般に、インターネットVPNは低コストのイメージが強いが、実は初期コストや管理、サポートまで考えると「Group-VPN」のほうが優れている点は多い。ここをユーザーはシビアに検討していたといえよう。また、頼れる管理や保守サービスがあること、他のVPNと組み合わせられること、全国で利用できること、など実にさまざまな特徴がある。
さて、ユーザー側の選択の理由やニーズはある程度していただけたと思う。しかし、こうした「Group-VPN」の評価について、サービス提供元のNTTコミュニケーションズ側ではどう考えているのだろうか?
国内ではWANサービスといえばVPNだが、実際は広域EthernetやIP-VPN、インターネットVPNなど、さまざまなVPNサービスが展開されている。このうち、たとえば「Group-VPN」の直接的な競合になるインターネットVPNと比べると、やはりコストやセキュリティ面に優れており、導入にあたっての重要な要素の一つと言える。
また、「Group-VPN」の特徴の1つとしては、豊富なオプションが挙げられる。「人気が高いのはやはりバックアップオプションの『Group-VPN Plus』です。これは昨年に比べても3~5倍くらい増えています。バックアップにせよ、セキュリティにせよ、通常のVPNのサービスに付加価値を加えるために、一手間かけているのがポイントだと思います」(中山氏)と、単なるトラフィックを運ぶ回線サービスにならないよう差別化を意識しているようだ。
「Group-VPN」は、当初「広域EthernetやIP-VPNのバックアップなど、補完的なネットワークサービスとして他のVPNとの組み合わせで伸びてきた」(中山氏)のだ。つまり、メインは広域EthernetやIP-VPNであり、安価なブロードバンド回線を利用するGroup-VPNはあくまで裏方的な存在だったのだ。
しかし、光ファイバ回線の普及により、ブロードバンド回線の「安かろう、悪かろう」のイメージが払しょくされるようになると、「Group-VPN」のメリットは大きくなってきた。高速な広域Ethernetや高品質なIP-VPNのように高いコストがネックになっていたユーザーでも十分に導入できるVPNサービスとして、中堅中小企業から注目されるようになってきたのだ。
またNTTコミュニケーションズにとっても、ネットワークサービスのIP化や高速・大容量のニーズが大企業だけでなく、中堅中小企業をはじめ様々な利用形態で顕在化してきたことを踏まえ、模索した結果として送り出されたVPNサービスだったようだ。「大企業では情報システム部門があり、ITの利用やコスト計画もそういった部署で練られます。しかし、中堅中小企業では限られた人的リリースをさかなければならず、ITの戦略が立てにくいのです」(中山氏)ということだ。
そして、サービス開始から3年が経ち、NTTコミュニケーションズでもGroup-VPNの顧客層となるユーザーのニーズをきちんとつかみ、さまざまなサービス拡充を施している。この結果が、Group-VPNで続々と拡充される低コストなバックアッププランや顧客の手間を軽減するストレージやセキュリティなどのアウトソーシングサービスというわけだ。「コスト、品質、拡張性、機能、そして保守まで、とにかくあらゆる面で比較してほしいと思います。大企業も含め、様々なシーンかニーズに対して柔軟にお応えできる価値のあるサービスだと考えています」(中山氏)という力強いコメントが返ってきた。
協力:NTTコミュニケーションズ株式会社
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