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FTTHだけではブロードバンド普及率100%は達成できない!?

BBA、新潟での無線ブロードバンド実証実験を報告

2008年03月05日 23時00分更新

文● 編集部 橋本 優

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 有限責任中間法人ブロードバンド推進協議会(BBA)は5日、「次世代無線ブロードバンドとデジタル・デバイド解消」と題した講演会を都内で開催した。

BBAデジタルデバイド研究会部会長の佐藤千明氏
(株)長野県協同電算 開発企画部部長でBBAデジタルデバイド研究会部会長の佐藤千明氏

 この講演会では、新潟県で行なわれた無線ブロードバンドの実証実験についての報告が行なわれた。はじめに、BBAデジタルデバイド研究会部会長の佐藤千明氏がNTT(株)の「NGN」(Next Generation Network)についての意見を述べた。

 同氏は光ファイバー(FTTH)前提のNGNについて、現在のブロードバンド契約件数6000万件に対して、FTTHの目標は2000万件であり、残りの3分の2をどうするのかが最大の課題であると主張。さらに、人口密集の低い地域にFTTHを整備したとしても、その維持費を回収するのは難しいのではないかと語った。

 その上で佐藤氏は、光ファイバーだけではなく、高速無線通信サービスブロードバンド衛星を使ったサービスなども検討するべきではないかと提案。さらに利用者から設備維持費を回収するためにはアプリケーション(コンテンツ)が不可欠だが、これについても提供者サイドの視点だけではなく、ユーザー目線に立ったアプリケーション開発が必要であると述べた。

新潟県総務管理部 情報企画監の松下邦彦氏
新潟県総務管理部 情報企画監の松下邦彦氏

 続いて、新潟県総務管理部 情報企画監の松下邦彦氏が次世代無線ブロードバンド新潟モデル調査研究会の実験概要を説明した。新潟県は山が多く、離島と広大な平野をかかえており、ブロードバンドの空白地帯も多いという。特に人口密度の低い平野や海岸線などはユーザーが少なく、民間会社のビジネスにはなりにくいと主張。県や市町村などが公的支援制度を実施しているが、それでも有線回線のみでブロードバンド普及率100%を目指すには手詰まりな状況にあるという。

ブロードバンド空白地帯の主な例
ブロードバンド空白地帯の典型的な例

 そこで新潟県は無線通信に注目し、2006年秋に通信事業者を中心とした研究会を発足した。実効速度2Mbps以上で通信費は月額4000円程度、といった目標を設定し、これに対して参加企業がサービスを提案。そのうちの3社が実証実験を行なってきた。

新潟県が掲げた目標
新潟県が掲げた目標

実験結果はおおむね良好 ただし課題も……


 今回実験結果の報告を行なったのは、(株)フジミック新潟と(株)アッカ・ネットワークス。フジミック新潟は中継回線とアクセス回線に無線LANを、アッカ・ネットワークスは中継回線に光回線、アクセス回線にWiMAXを採用した。

フジミック新潟 取締役企画推進室長の柳 十四男氏
フジミック新潟 取締役企画推進室長の柳 十四男氏

 フジミック新潟の実験結果については、同社取締役企画推進室長の柳 十四男(やなぎ としお)氏が報告。実験地域となった十日町市は降雪量が多く、無線通信に障害が起こりやすい要素を持っているという。

 実験では、中継回線としてIEEE 802.11gIEEE 802.11jの2方式を採用。同社社屋からユーザーのいる集落までの4.2kmを無線で中継した。集落内のアクセス回線はIEEE 802.11gを採用。100世帯中22世帯が実験に参加しているという。ちなみに実験は2007年11月で終了の予定だったが、さらなる調査のために今年3月まで延長したという。

十日町市での実験の概要図
十日町市での実験の概要図

 この結果、中継回線で5~10Mbps程度、アクセス回線で0.8~2Mbpsの実効速度が出ていたという。ただし、豪雪時には中継回線が不安定になり、動画などは条件が悪いと視聴しずらい状態になるという。

アッカ・ネットワークス モバイルソリューション推進室担当部長の岡崎浩治氏
アッカ・ネットワークス モバイルソリューション推進室担当部長の岡崎浩治氏

 一方、アッカはモバイルソリューション推進室担当部長 岡崎浩治氏が実験結果を説明。同社は魚沼市の小学校校舎(休校中)にWiMAXの基地局を設置し、「FWA」(固定無線アクセス)的な運用で各種実験行なったという。

 結果としては、見通しの取れた場所では基地局から4~5km離れた場所でも問題なく接続でき、1km以内では下り3.5Mbps程度の実効速度が得られたという。また、WiMAXを利用した防災無線設備は問題なく動作し、IP電話もレスポンスがやや悪いが、音途切れのないレベルで通話可能だったという。

魚沼市での実験の概要図
魚沼市での実験の概要図
WiMAXの電界強度の図
WiMAXの電界強度の図

 ただしWiMAXは高低差に弱いため、受信アンテナの設置場所が極めて重要であるとした。さらに、電波干渉にはものすごく弱いため、セル間干渉を抑える「FFR」(Fractional Frequency Reuse)といった技術の投入も検討すべきで、同氏は「単純に使うのは難しい」と語った。

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