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ドミニク・グピール氏インタビュー

Lunch Boxではダメ──米ファイルメーカー社長が語る「Bento」の目指すところ

2008年03月05日 22時00分更新

文● 編集部 広田稔

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アップルの子会社だけど、特別な配慮は受けていない


── Bentoは最新のMac OSである「Leopard」専用となっています。この理由は?

グピール 新しいカテゴリーの製品をいちばんいい状態で送り出したいという意思が強くあって検討した結果、実は開発の早い段階でLeopard専用という結論に至っています。

 iCalのカレンダーデータを引用したり、ウィンドウ切り替え時にビジュアルエフェクトを挟むといったことは、Leopardなしでは実現できなかったことです。

 もちろん能力を絞り込んで互換性を上げるという選択肢もありましたが、アップルはユーザーをLeopardに移行させることに成功しています。1月に開かれたMacworld Expoの基調講演では、アップルのスティーブ・ジョブズCEOが「10月に発売してから3ヵ月で500万コピーを売った」と発表していました。大変速いピッチで普及しているので、市場の規模も十分あると考えました。

アドレスブックとの連携

Bentoでは、「iCal」のカレンダーだけでなく、「アドレスブック」から住所録のデータを引き出すことも可能。アドレスブックでは対応できない、住所録データのリスト表示などが可能になる


── アップルといえば、御社は米アップルの完全子会社ですが、Bentoでは何かアップルに協力はあおぎましたか?

グピール 特別な配慮は何も受けていません。アップルが公開しているAPIを使って独自に開発しています。


── アップルの子会社だったことで、過去に何か恩恵を受けたことはありましたか?

グピール ファイルメーカーに名前を変える前のクラリス時代も含めて、長年アップルのメンバーですが、振り返ってみると、比較的自立して事業を展開してきたと思います。

 FileMakerは、クラフトマンシップ(職人気質)を持った人が集まった会社です。私も含めて長期間在職している従業員が多く、作り上げた製品にプライドを感じている。

 FileMakerは大企業の基幹ソフトとして一度に5000人に使ってもらうというよりは、小規模なグループが使うケースがほとんどです。しかし、出荷本数は多いため、何かの機会に会った人に「昔使ったことがあるよ」と言われることもあります。私たちは、そういうユーザーの声を聞くのをとても嬉しく、誇りに感じています。


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