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米アドビ システムズのダグ・ウィニー氏に聞く

デザイナーと視聴者をつなぐ夢の架け橋!?――Dreamweaver CS4を目撃!

2008年03月01日 10時00分更新

文● 千葉英寿

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Adobe Dreamweaver CS3 10周年記念イベント

 アドビ システムズ(株)は20日、東京・品川のTHE GRAND HALLにおいて、リリース10周年を迎えたウェブサイト制作ツール「Adobe Dreamweaver」のユーザー向けイベント「Adobe Dreamweaver CS3 10周年記念イベント~夢を紡ぐ者たちへ~」を開催した。同セミナーに合わせて来日したDreamweaver担当チームのひとりである、米アドビ システムズ社のダグ・ウィニー(R.Douglas Winnie)氏に、現在開発中のDreamweaver次期バージョンである「Adobe Dreamweaver CS4」の新機能を特別に公開していただいた。

Adobe Dreamweaver CS3 10周年記念イベントの会場
10周年を迎えたDreamweaverのイベントに多くのユーザーが詰めかけた

 同セミナーでは、生みの親であるケビン・リンチ(Kevin Lynch)氏をはじめとしたDreamweaverチームによる日本のユーザーに向けたビデオメッセージが紹介されたほか、マクロメディア時代からの製品担当であるアドビ システムズ日本法人の阿部成行氏と西山正一氏による製品開発秘話や歴史などが披露された。後半ではウェブ制作の第一線で活躍中のDreamweaverユーザー10名による「Dreamweaver 大喜利」で、会場は大いに盛り上がった。

DreamweaverについてインタビューしたASCII24の記事 セミナーではDreamweaverについてインタビューしたASCII24の記事(1999年2月4日付け)も紹介された


 ascii.jpでは、同セミナー会場で特別に公開されたDreamweaver CS4の開発中の新機能の詳細を、米国アドビシステムズ社のダグ・ウィニー氏に解説いただき、次期Dreamweaverについて詳しく話を聞いた。



Dreamweaver CS4の開発コンセプトは
デザイナーとデベロッパーのやりとりをシームレスにすること


ダグ・ウィニー氏
Dreamweaver CS4をプレビューしてくれた米アドビ システムズのダグ・ウィニー氏。前職は広告代理店勤務で、DreamweaverはVer.1から使っていたという、ユーザー出身のスペシャリストだ

―― まず、Dreamweaver CS4の開発コンセプトについてお聞かせください。

ウィニー氏 Dreamweaverの拡張について、(デザイン面からウェブサイトを制作する)ウェブデザイナーが(コーディングをメインにウェブサイトを制作する)ウェブデベロッパーとシームレスに仕事ができるための施策を考えました。ウェブデザイナーが行なった作業を、ウェブデベロッパーに渡すときに、効率性が妨げられることがあります。そうした相互のやりとりを、よりシームレスにする必要があると考えており、この点について重視して開発を進めています。

―― ウェブデザイナーが使う部分とウェブデベロッパーが使う部分に共通性を持たせたということでしょうか。

ウィニー氏 これまでもそうでしたが、Dreamweaverにはデベロッパー向けの機能もあります。今後、デベロッパーに特化した製品、デザイナーに特化した製品など、さまざまなもの出てきますが、今回お話できるのはデザイナー向けの製品ということになります。

―― 現在、公表いただけるDreamweaver CS4の新機能についてお聞かせください。

ウィニー氏 いくつかの機能について開発が進められておりますが、今回お見せできるDreamweaver CS4の新機能はごく一部です。また、ご紹介する新機能についてはあくまで暫定的なもので、最終的なリリースではありません。今後、開発が進み製品版として正式にお目にかけるときには、その機能の名称や挙動なども変わってくる可能性があることをあらかじめお断りしておきたいと思います。
 Dreamweaver CS4ではデザインをピクセルで表わしていく「デザインビュー」を改良しました。従来からもあった機能ですが、これまでのデザインビューはコンセプトは優れたものでしたが、見た目が思ったほどではなく、必ずしもデザイナーにとって使いやすいものではありませんでした。フロントエンドの開発にJavaScriptやCSSが使われるようになって、デザインビューを使うとプレビューが難しいということがありました。


インタビュー中にデモされたDreamweaver CS4の新機能


Live Preview(仮称、以下略)


 「Live Preview」(ライブ・プレビュー)は、Dreamweaver CS4に組み込まれたWebKitのレンダリングエンジンを利用して、メニュー、Ajax、JavaScriptがプレビューできる機能。このプレビューの中ではFlashをロードさせることも可能。プレビューだけでなく、ブラウザー画面でJavaScriptを実際に操作して確認することも可能だ。


Live Code


 「Live Code」(ライブ・コード)はコードの変更を追跡するための機能で、例えばブラウザー画面でJavaアプレットを操作するとLive Codeのコード(パラメーターなど)も変化して、コード側で何が起きているかが分かる。インタビュー中のデモでは、マウスを動かすことで、コードの中のJavaScriptコードのクラス(変数値)が変わる様子が見せられた。また、あるオブジェクトをダブルクリックした場合には、Live Codeの中でその部分にあたるコード部分が自動的にハイライト表示される。


Pause JavaScript


 Live Codeを使っても、JavaScriptとCSS(Cascading Style Sheets、ウェブページのレイアウトを表記するコード)を組み合わせた“動的なウェブページ”を編集するのはなかなか大変な作業だ。そこで「Pause JavaScript」を使えば、JavaScriptによる自動実行をフリーズ(一時停止)させることができる。例えばマウスカーソルを重ねると変化するオブジェクトの“変化前のコード”を編集・変更するのが楽にできる機能だ。

Dreamweaver CS4の画面(開発中のもの)
インタビュー中にデモされたDreamweaver CS4の画面(開発中のもの)。上にHTML/XMLコードが、下にブラウザーのプレビュー画面が表示され、関連するCSSがウィンドウとして表示されていることが分かる

Code Navigator


 「Code Navigator」(コード・ナビゲーター)は、CCSファイル内のマウスポインターの色の変更などが容易に行なえる機能だ。Live CodeビューからCode Navigatorを選択すると、現在作成中のウェブページに関連するJavaScriptやCSSファイルなどが自動的に読み込まれ、リストアップされる。Code Navigatorから関連ドキュメントを選択すると、Live Codeビューの該当する部分が透けて見えるようになる。例えば、マウスポインターの色を変更するには、使われているスタイルに関わるCSSファイルを読み込み、ここで色を変えることができる。Live Previewで再読込すると、色の変更が反映されていることが分かる。CS4以前ではこの変更を行なうために、まず該当するCCSファイルを探し出してから変更を行ない、CSSファイルを一度読み込み直して、プレビューで確認してから、必要があれば再びコードを変更する、といった回り道をしなければならないが、Code Navigatorを使えば手間を大幅に軽減できるというわけだ。



WebKitレンダリングエンジンを内蔵
ほかのウェブブラウザーでもプレビュー可能に!?


―― Live PreviewにはWebKitのレンダリングエンジンが組み込まれているとのことですが。

ウィニー氏 「Safari」(Mac OS Xで標準的な米アップル社のウェブブラウザー)で使われているWebKitレンダリングエンジンを使っていますが、ほかのウェブブラウザーでもプレビューできるようにしたいと考えています。WebKitのレンダリングエンジンはウェブの標準に準拠したものだと考えており、これを基本としてほかのブラウザーにも対応していく予定です。今回の開発は、効率化の改善がメインテーマですので、開発効率を上げるだけでなく、検証作業の効率も上げられるようにと考えています。

―― 現在のところ、Live View、Live Code、Pause JavaScript、Code Navigatorの4つが大きな機能追加ということになりますか?

ウィニー氏 はい。このほかにも、コードを使う方にとって有効な機能として「分割コード表示」というものがあります。1つのページに2つのコードを同時に表示させて、これを切り替えて操作するできます。今後数ヵ月のうちにはこのほかに取り入れる機能をご紹介できると思います。
 また、アプリケーションのユーザーインターフェースも変更しました。これはアドビ製品全体を共通のユーザーインターフェースにする方向で開発されているからです。これはアドビ系、マクロメディア系のすべてのアプリケーションのユーザーインターフェースを共通化させようというものです。これによって、Windowsのユーザー、Mac OSのユーザーに関わらず、使い勝手のいいユーザーインターフェースになっていくことでしょう。

―― ズバリ! リリースはいつ頃になりそうですか?

ウィニー氏 Sometime! (^^)(いつの日か (笑)) 現在も開発が続いていますので、出荷がいつになるか、という話は差し控えているのです。

ダグ・ウィニー氏

―― では、パブリックベータの配布を行なう予定はありますか?

ウィニー氏 考えていますが、まだ分かりません。やる可能性は十分ありますが、最終決定ではありません。ただ、Adobe Photoshopのパブリックベータはかなり人気のあったプログラムでしたし、Flexのプレリリースプログラムもいい状況でしたので、これからも続けていきたいと考えています。

―― バージョン管理について、何か新機能はありますか?

ウィニー氏 今後、Dreamweaver CS4にもバージョン管理機能も取り入れていく予定です。デザイナー、デバロッパーのワークフローの中で、バージョン管理やソースコードの管理は鍵になると考えています。デザイナーとデベロッパーの両方の視点で、効率的な内容にしていきたいと考えております。

―― ほかのアドビ製品との連携について、何か予定していますか?

ウィニー氏 当然、Dreamweaver CS4ではさまざまな製品との連携を考えています。Adobe AIRも大変注目を集めているところですが、(ウェブページやフロントエンドの)迅速なプロトタイプの生成に結びつくワークフローの改善を行ないます。また、「Adobe Fireworks」を使ったワークフローの改善も行なっていく予定で、開発者向けとして、AjaxフレームワークやJavaScriptとのより密な統合化も検討してます。

―― デザインしかできないデザイナーもいれば、コーディングもいけるデザイナーもいます。Dreamweaverという製品は、どんなデザイナーをターゲットに想定しているのでしょう?

ウィニー氏  確かにデザイナーにもいろいろいらっしゃいます。Dreamweaverのデザイナーという意味では、ある特定の(自分でコーディングができる)デザイナーを指していますし、別の(PhotoshopやIllustratorを使ってデザインワークから始める)デザイナーにはFireworksがあります。また、「Thermo」という製品も開発中で、こちらはデザイナーとデベロッパーの垣根を低くするアプリケーションです(関連記事)。デザイナーが“デベロッパーの言葉”を使ってコミュニケーションしやすくするものです。我々の強みは、こうしたさまざまなユーザーに幅広くアプローチする用意ができていることであり、さまざまなデザイナーの体験を製品に反映できることだと考えています。

―― 最後になりますが、Dreamweaverの10年をどのようにお感じですか?

ウィニー氏 私はVer.1からのユーザーで、ウェブ開発をDreamweaverを通じて、ともに学んできました。この長い道のりを、「よくここまで来たな」と思っています。ウェブは絶えず変化が続いていますし、進化も続いています。そうした中で、Dreamweaverはこれからも機能が拡張できる、変えていける数少ない製品であると考えています。


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