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2日配達! 1日修理!

ミラクルを可能にした信頼の直販ブランド エプソンダイレクトの秘密

2008年02月29日 20時07分更新

文● 垣内吾郎

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 BTOでパソコンを注文したときの不安を一気に解消! 顧客の安心を裏付けるエプソンダイレクト(株)の様々な試みを工場で取材してきた。

 我々の業界ではいち早く「ウェブでPCを買う」「BTOで無駄を省く」「自分だけのオリジナルPC」といった「安い、便利」を実践していたが、今や普通に「食品」「アパレル」「日用雑貨」といった様々な生活必需品、「交通機関」「宿泊施設」などまで、様々なことがネットでできる世界となった。

 そんな時代に、常に先行をするパソコン界では、ユーザーが必要とするパーツを自由に組み合わせて自分にピッタリと合ったパソコンを手に入れることができるBTOパソコンは当たり前。CPUから、メモリ、グラフィックボード、HDD、CD/DVDなどのドライブ系や、キーボードやマウスなどの小物に至るまで、自由にチョイスして、使い方に合わせたパソコンに仕上げるのは無駄がなく気持ちがいい。

 また、小売店を介さない直販システムのため、中間マージンが無く、リーズナブルにマイPCを手に入れられるのも大きな魅力だ。

 そんなBTO直販メーカーの中で、常にトップクラスの顧客満足度を誇り日本国内で絶大な人気を誇るのがエプソンダイレクトだ。



注文から2日配達を実現する鍵は
EDCSという独自の効率化システム!


 一般に直販系のメーカーからパソコンを買うとなると、心配になるのが、納期の問題や、購入後のアフターサービスだろう。注文したもののいつ届くのか? 故障したらどうしたらいいの? 修理にかかる日数は? など、不安に感じる要素は数多く存在する。

 エプソンダイレクトの魅力は、スピードとサービスを兼ね合わせた安心感。「スピード×サービス お客様をお待たせしません」をキャッチフレーズに独自のサービスを展開。その結果、ビジネス誌の調査でアフターサービス満足度ランキング パソコン部門 3年連続1位を獲得したり、パソコン専門誌の調査でパソコン満足度ランキング 総合2位を獲得するなど、多くのユーザーがエプソンダイレクトを支持していることにつながっている。

 そんなエプソンダイレクトが展開するスピード×サービスの中でも突出しているのが、「2日配達」と「1日修理」。一般的な直販メーカーであれば、ウェブ上で注文してから、商品が自宅に到着するまで最低でも10日前後、一般には2週間以上かるのが普通なのだが、エプソンダイレクトは、なんと注文翌営業日には出荷してしまおうというのだ。つまり、月曜日に注文したら、水曜日には手元にニューPCがあるというわけ。どんな荷物でも、配送に大抵1日はかかるわけで、あり得ないぐらいスピィーディ!

 また、万が一パソコンが故障した場合でも、修理センターに届いてから土曜、日曜を含めて1日で修理を完了して返送してくれるという。

 いくらシステムが充実していたとしても、信じられないスピードだ。まさにエプソンダイレクトマジック

 エプソンダイレクトの工場には、とんでもなく多くのエンジニアが潜んでいるのか? 一体どうしたら、それだけスピーディーに仕事をこなせるのだろう? 普段、自分のパソコンのOS再インストールにも膨大な時間を費やしている筆者には不思議で仕方が無い。さまざまな疑問を解明するため、エプソンダイレクトがある信州・松本へと向かった。

安曇野工場 松本本社
安曇野の組み立て工場(左)と松本の本社社屋。安曇野では、主にデスクトップパソコンを製造

 東京から、約200km。北アルプスの山々に抱かれた松本へ向かう車中で、エプソンダイレクトのマジックについてあれこれ妄想がよぎる。「ひょっとして、数万人の作業者がラインに並んで待ち受けているのか?」「いやいや、フル自動化された工場で、僕らを待ち受けているのは、ロボットたちかも……」。

作業の様子 1時間に100台以上を並行して作業できる効率の良さ。パッケージへの梱包作業まで、スタートからほぼ5時間

 が、しかし、出迎えていただいたエプソンダイレクトの方々のお話をうかがううちに、この一見マジックとしか思えないスピードを実現しているのは、「お客様をお待たせしない」ために、長年に渡って積み重ねてきた企業努力の積み重ねであることがわかってきた。

手作業の様子
自動化しながらも、必要な工程では手作業を導入。信頼性と効率化がほど良くバランスされて製造スピードを上げている

 最大のポイントは、受注から組み立て、出荷、アフターサービスに至るまで一貫して顧客情報を管理する“EDCS”という独自システムだ。ユーザーからの注文はこのEDCSシステムによって、それぞれ固有の製造番号が割り振られ、個人情報や受注したパソコンの仕様など製品に対するすべての情報がデータベースに登録される。この情報をもとに製造、出荷、アフターサービスなどあらゆる作業が効率化され、迅速な対応が取れるようになったというわけだ。

生産ライン1 生産ライン2
ラインを流れるのは、基本的に次工程への移動のみ。チェック作業まで、組みあがった筐体が並ぶ

 例えば製品の受注が完了すると、翌朝製造データは工場に確認され、仕様に基づいてパーツを集め組み立てられる。

 機種によっても違うのだが、ストックされた数十から数百のパーツの中から仕様にあったパーツを選び出す作業が一番手数もかかり、工程上パーツの選択ミスなどのトラブルも生みやすい。

パーツ補給の様子1 パーツ補給の様子2
製造番号のバーコードを読み込ませると、部品棚のランプが点滅し、個数を表示。作業者は、この指示に従って組み込まれるパーツを取る。ミスが生まれない効率的なシステムだ

 この工場では、EDCSに基づいて“製造番号”など工程流動上必要最低限の情報を小さな用紙にプリントアウト。各工程で、ここに記されているバーコードを読み取らせると、部品棚のランプが点滅。受注したパソコンに組み合わせなければいけないパーツがひと目で分かる仕組みになっている。いちいち製品の仕様書を確認しながらパーツを探し出す手間がないのだ。実際に作業の状況を見せていただいたのだが、バーコードを読み取らせ、ランプの光った棚のパーツを取り出すまでの時間は1~2分ほど。いちいち人が確認していたのでは、到底こうはいかないだろう。

HDDにOSやソフトウェアをインストールする様子1 HDDにOSやソフトウェアをインストールする様子2 HDDにOSやソフトウェアをインストールする様子3
HDDへのOSやドライバー類、ソフトウェアのインストール作業も自動処理。ここでインストールされたHDDは、組み立て工程へと送られる

 本体パーツの組み付けと同時に行なわれているのが、HDDへのOSのインストールだ。受注したパソコンごとに異なったシステムをHDDにコピーするわけだから、手作業で考えたら途方もない時間を必要とする。この作業もEDCSシステムのデータをもとに完全に自動化されている。専用の装置にHDDを接続して、製造番号のバーコードを読み取らせると、その製品に必要なOSの種類やドライバー類やアプリケーションが自動的にインストールされていくのだ。

 すべてのインストールにかかる時間は、おおよそ20~30分ほど。こんなシステムが自宅にあったなら、毎日でもOSの再インストールをしてもいいのになぁ……とふと思った。

パーツ組み込みの様子
パーツの組み込みは、1台1台、手作業で行なわれる

 OSのインストールが終わり、本体の組み立てが完了したら、最終的な製品チェックドライバーやアプリケーションのインストール。こちらの作業もセットアップスクリプトが自動実行され、製品に必要なドライバーやアプリケーションが自動的にインストールされて 終了。

起動テストの様子1 起動テストの様子2
HDDを組み込まれた筐体は、ディスプレー、キーボード、マウスが接続され、一気にドライバーやアプリケーションのインストール、起動テストまで自動で行なわれる

 すべての作業が自動化されているのだが、各パーツの組み付け状況のチェックや、映像表示や音のチェックなど重要なポイントはすべて、担当者によって手作業できちんと確認されているのが印象的だった。

安全試験の様子
組み立てた本体に対して、漏電や絶縁耐圧、絶縁抵抗試験などの安全試験を行なっているところ

 2日配達を支えていたのは、マジックでもなんでもない努力と工夫の積み重ね。特別なシステムや工作過程があるのなら、企業秘密として取材にも応じてもらえないだろうが、作業工程をきちんと見直し、自動化できる部分を公開したところで他社が一朝一夕にはマネのできない日々の努力の結果が、2日配達を可能にしていたのだ。



1日修理を可能にした
“エプソンダイレクトマジック”の裏側も見た!


 ところで、もうひとつ気になる1日修理はどうなのだろう。あらかじめ製品仕様がはっきりしている製造段階と違い、どんなトラブルを抱えているかわからない修理ともなれば、いかに効率化しようとも、故障した製品が到着してから、わずか1日で問題点を洗い出し、修理して返送するなんてことができるはずもないではないか。

 サービス担当の方にお話をうかがったところ、ここでもEDCSシステムが大きな鍵を握っていた。まず、エプソンダイレクトのパソコンには、保証書が存在しない。パソコンが故障した場合、シリアルナンバーをサポート、サービスのコールセンターに告げるだけで、パソコンの構成仕様が一目瞭然となる。同時に、コールセンターで故障の状況を詳しくうかがいデータに入力。そのデータを元に、修理センターへの到着日、その日の修理に関わる人的配置、部品の手配などがスピーディーに決定されるという。

 常時修理センターには、4000~5000種、数万の部品が用意されているというから心強い。

 専任のスタッフが、毎朝8時30分までに到着する故障したパソコンを、修理の難易度ごとにランク別けをして修理にあたる。修理の難しそうな機体は、経験とスキルの高いエキスパートが担当することで、修理作業の効率化が図られているのだ。

 また、すべての故障状況をデータ化することで、同様な症状なら、この部分をチェックするというあたりをつけられる情報共有システムを構築している点も見逃せないポイントだ。

 もちろん、故障データは、設計や製造の現場にもフィードバックされ、より故障しないマシンの開発や製造に活かされているという。より迅速な修理を実現するためには、より故障しにくい製品を送り出せばいいというわけだ。

 こうした努力の結果、現在では故障PCが到着したその日のうちに修理が完了して返送できるケースが全体の7割以上になっているという。つまりは、1日どころか0日修理! まさに驚くべきスピードではないか。ここまでしっかりした修理体制だと、修理費が高くなるのではないか? とついつい心配にもなるのだが、エプソンダイレクトは、1年間の無償保障、3年間の部品保障を実現している。1年目の無償修理は当然だが、3年間どこのパーツが故障してもパーツ代無償! 工賃と送料分1万4175円で修理が可能になっている点も見逃せないメリットだ。

  • 1日目「AKIBAでケース、パーツを探し購入、大きな荷物を抱え自宅へ」
  • 2日目「家で待望のPC組み立て。埃に気をつけ、指紋に気を配り作業を進めるが、取説はわかりにくく、オマケに英語版しかないボードも。でも、ようやく完成」
  • 3日目「意外と時間がかかるOSをインストール。さて、ようやく使おうと思ったらソフトがなかった?」

といった合間に、「エプソンダイレクト」なら発注、入手、稼働、といった具合で無駄がない!

 うちの会社もエプソンダイレクトにしてくれないかなぁ……。「すべてのメンバーがお客様を待たせてはいけないと自覚しているんです」。サービス担当の方の言葉を頭の中で反芻しながら、エプソンダイレクトを後にした。


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