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株主総会に向けてイー・アクセスとの関係は!?

ワイヤレス事業に参入!アッカが今後の事業計画などを発表

2008年02月14日 21時57分更新

文● 編集部 橋本 優

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 (株)アッカ・ネットワークスは14日、2007年12月期の決算説明会を開催し、同社代表取締役社長の木村正治氏が事業計画などを説明した。

代表取締役社長の木村正治氏

代表取締役社長の木村正治氏

 2007年通期の売上高は350億7900万円で、前年同期比で9.7%のマイナスとなった。主にADSLを柱とする個人向け事業は、前年同期が314億4700万円の売上高だったのに対し、今期は269億1000万円と落ち込んだ。一方でDSL・光を柱とした企業向けサービスは前年同期73億8100万円の売上げだったのに対し、今期は81億6800万円と健闘。とはいえ、WiMAXの免許獲得のための経費5億5000万を特別損失として計上するなど、全体的に見るとマイナス要素が大きい。

営業利益と経常利益の推移グラフ

営業利益と経常利益の推移グラフ

 しかしながら、営業利益、経常利益はともに前年同期比プラスとなり、純利益は39%プラスの14億7500万円となっている。この結果について木村氏は、中継回線の使用料や通信設備使用料、リース料の削減など、コストや経費を見直すことで達成できたと理由を説明した。

コスト削減のグラフ

コスト削減のグラフ

 とはいえ、現状のビジネススタイルについて同氏は、転換を余儀なくされているとした。これまでの同社のビジネススタイルは、個人向けサービスはISP主導型、企業向けサービスは通信キャリアー主導型の、いわゆるホールセール型となっており、同社が直接顧客に対して営業をすることはあまりなかった。対して競合他社は、メタル電話とのセット販売やモバイルサービスとのセット販売などで売上げを伸ばしてきた経緯がある。さらに、個人向けDSL事業の縮退は免れられないとし、すでに光回線の契約が好調な法人向け事業に軸足をシフトしているという。

ワイヤレスブロードバンド事業に参入

ワイヤレスブロードバンド事業に参入

 そこで同氏は、今後についていくつかの事業計画を明らかにした。まず本日、(株)NTTドコモと提携し、MVNO(仮想移動体通信事業者)として企業向けのワイヤレスブロードバンドサービスに参入することを発表。今年の半ばにはサービスを開始するという。また、NTTコミュニケーションズ(株)と(株)ウィルコムとともに、固定通信と移動通信を融合させた「ブロードバンド・マルチアクセス・サービス」について、共同で検討を開始したことも発表している。

 さらに公衆無線LANについても、現在(株)トリプレットゲートとの協業により実験サービスなどを開始しているが、今後さらに事業展開を進めていく方針だ。そのほか、WiMAXについてCATV事業者向けにコンサルティングを行なう予定だという。

 質疑応答では、イー・アクセス(株)からの株主提案についての質問が相次いだが、「企業価値の向上の提案がいただけるのであれば検討するが、前回は役員の交代が主体だった」とし、同社の大株主も含めてこの提案には反対であることを繰り返した。なおイー・アクセスは現在、3月に予定されているアッカの株主総会を前に、アッカの株主に対して決議権行使の委任を呼びかけている。これについてはアッカ側からも株主に対して提案をしていく方針だが、まずは提案する内容を決めてからリアクションを起こすとした。

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