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「フラッシュドライブはメインストリームに」――EMCがハイエンドストレージ向けにSSDを提供

2008年02月13日 21時13分更新

文● アスキービジネス編集部

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EMCジャパンは、2月13日、企業向けハイエンドストレージシステム用に、フラッシュメモリドライブを提供すると発表した。SSDの採用は業界初。3月31日から販売する。


30倍のパフォーマンス、38%の消費電力削減を実現


「フラッシュドライブはメイ ンストリームに」――EMCがハイエ...

3月末に販売を開始するSSDと追加される新機能

 EMCジャパンが発表したのは、企業向けストレージシステムのハイエンドモデル「EMC Symmetrix DMX-4」に搭載できる、フラッシュメモリドライブ。コンシューマ向けデバイスなどで利用が進むSSD(Solid State Disk)を、業界で初めて企業向けストレージに採用した。代表取締役社長の諸星俊男氏は「EMCしかできないテクノロジー。他社が追随するのに1年以上はかかるはず」と自信を見せる。

 SSDを使うメリットは、HDDに比べて大幅なパフォーマンスの向上と消費電力の削減を実現できる点にある。I/O処理数ではHDDに比べて30倍、アプリケーションの応答速度では10倍の向上が図れるという。また、消費電力は同容量のHDDと比較した場合で38%の削減。同等の処理性能をHDDで実現する場合と比べると2%の消費電力になるとしている。

「フラッシュドライブはメイ ンストリームに」――EMCがハイエ...

米EMC上席副社長兼ジェネラル・マネージャーのブライアン・ギャラガ氏

 来日した米EMC Symmetrixプロダクトグループ担当 上席副社長兼ジェネラル・マネージャーのブライアン・ギャラガ氏は「コストが下がるまでは相当の時間はかかる」としながらも、「フラッシュドライブは今後のメインストリームになるだろう」との考えを披露した。

 3月31日に発売されるのは、73GB/146GBの2種類。HDDと同様、3.5インチのストレージ・ベイに搭載できる。インターフェイスはファイバチャネル。価格は非公表だが、「性能が30倍なので、それに見合った価格になる」(プロダクトマーケティング部 部長の中野逸子氏)。同社では、為替/電子商取引システムなどのミッションクリティカル領域での採用を見込む。「すでに相当の引き合いがある」(諸星氏)という。

 なお、SSDの発売と併せてEMCジャパンでは、Symmetrix DMXシリーズのソフトウェアをアップグレードし、各種機能を強化する。具体的には、必要に応じて一時的に論理容量を割り当てる「仮想プロビジョニング」、2つの離れた拠点へデータをミラーリングする「SRDF/カスケード」機能を追加。IPv6を新たにサポートし、オプションでIPSecによるデータ暗号化にも対応する。同時に、Symmetrix DMX-4用に、1TBのSATA IIディスクドライブも発売する予定。

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