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米アップルの増井俊之氏が自腹レビュー

2ヵ月使って分かった、米Amazonの電子書籍リーダー「Kindle」の善し悪し(後編)

2008年02月09日 09時00分更新

文● 増井俊之

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やはり「紙の本」を超えられないところも……


 Kindle固有の問題としては、今のところ気になっているところが3点ある。

 まず、本体のボタンが使いづらい。現在のKindleは、筐体の左右の辺の大部分が「Next Page」キーと「Prev Page」キーとして占有されており、これが邪魔で仕方がない。机の上に置いたKindleを持ち上げようとすると、つい左右の縁に手が触れてしまいがちだが、ボタンに触れるとページが移動してしまって不便なので、慎重に左右にある辺以外の場所を持つように注意しなければならない。

 次に、反応速度が遅いのが気になる。 Kindleが採用している電子ペーパーデバイスは書き換えに時間がかかるため、ページ送りやメニュー表示、文字入力などの反応が相当緩慢である。このため、ページを高速にめくりながら流し読みをすることができない。専門書や小説のようにゆっくり読むタイプの本では問題ないが、軽い内容の実用書などではイライラさせられる。

 最後に、コンテンツの品揃えが今のところ充分でない。現在9万冊の本をAmazonから購入可能だということだが、よく売れている比較的新しい書籍でもKindle用に販売されていないことがある。例えば、日本でもよく売れた「フェルマーの最終定理」(サイモン・シン著)は、何故かKindle版が用意されていない。

 これらの問題は、将来の製品やサービスでは解決してほしいものだ。

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