YouTubeの規制が行なわれたことも?
実は「メディアは国がコントロールすべし」という姿勢は、何も今にはじまったことではない。
3年前の2005年8月8日に、中国の国会にあたる国務院が「国務院関于非公有資本進入文化産業的若干決定」(国務院の非国有資本がコンテンツ産業に進出することについての決定)という法案を通している。すなわち今回の法案は、信息産業部と広電総局の決定のようにみえるが、その背景にはこの2005年に決まった中国政府の意思があるわけだ。
それではなぜ中国政府は今になって突然、「オンラインでの動画コンテンツの内容を取り締まろう」としたのだろうか? これは、ここ最近中国で発禁の映画など、中国ではよろしくない動画がアップされたため、取り締まろうとしているようなのだ。
YouTubeとて原稿執筆時点(4日現在)では、中国からアクセスできる状態にあるが、以前YouTubeが台湾向けサイトを開設したタイミングとときを同じくして、中国からYouTubeにアクセスできなくなる現象が起きている。中国当局はYouTubeをアクセス禁止にしようと思えば、難なくできる、と言える。
フタを空けてみれば……!?
さて、この互聯網視听節目服務管理規定の施行日は1月31日、すなわち先週末だった。それから数日が過ぎた今、これらサイトはどうなっているのか、調べてみると、、、
どのサイトも、法規制が施行されたとは思えないような変化のない状況で、どこも普通にサイトを運営している。日本のアニメどころか、先日封切されたばかりの「少林サッカー」で知られる人気監督周星馳の最新作品「長江7号」まで早速アップされている始末。法をバックに今後当局が取り締まりに入るのか、それとも法はできたが、中国における暗黙の了解で実際取り締まろうとしないのか……。
上記で紹介した4サイトにおいて、ニュースリリースをチェックしてみたが、いずれも法施行により何かをする、ないし何かをアピールするといった動きはなかった。それどころか、法施行の前日となる1月30日には酷6網が「2007中国網絡視頻榜領奨盛典」という、2007年に同サイトに登場した優良な個人の作品の表彰式まで行っており、到底明日法施行で裁かれるという感じには思えない状況であった。