南半球で最強の視力を
おサイフケータイで体感!
メイン会場とは別に独立したコーナーで展示されたインスタレーション、「JAMBO! AFRICA!!」(こんにちは! アフリカ!!)では、ロハスやスローフードの提唱で知られる月刊「ソトコト」の編集長、小黒一三氏が手がけた作品を展開している。(株)竹中工務店や凸版印刷(株)、KDDI(株)(特別参加企業)とともに、映像・写真・ウェブ・携帯電話といったさまざまなメディアを通して、南半球で最強の視力をもつケニア(東アフリカ)のマサイ族との交流と、マサイの暮らしや風景を伝える内容となっていた。
朝顔の種にベアリングのボール
1Fロビーには、山元勝仁氏と三宅デザイン事務所、紙の専門商社の(株)竹尾、照明器具メーカーのマックスレイ(株)がコラボレートした作品「INNER SIGHT」(インナーサイト)が、フロアいっぱいに展開されている。メイン会場に続くB1のエントランスに降りてくると、日比野克彦氏による「目分量」の4作品に出迎えられる。まず目を引くのは、1F部分から吊り下がっている朝顔のつるを使って編まれたインスタレーションと、日比野氏と(株)アルフレックスジャパン(家具インテリアの企画・製造・販売会社)が朝顔の種をモチーフに製作した3つのオブジェのようなソファで構成された「芽が出る時を見極めるイス」だろう。
そのとなりのスペースに設置された椅子は、日比野氏とコクヨオフィスシステム(株)のコラボレーション作品「見つめ合うイス」だ。床に巡らされた支柱に固定することで、使用者の視線をコントロールしている。
通路側に展示されているのは、日比野氏とセイコーインスツル(株)による作品「時の目盛り」。2つの重りでチクタクと動く昔懐かしい壁掛け時計をモチーフに、「時間」と「目盛り」を表現している。また会場の中庭には、日比野氏と日本精工(株)による「玉一杯」がある。地球上に存在するあらゆる球体のなかで、最も丸い球と言われているベアリングボール30万個を使ったインスタレーションだ。
さらに奥のスペースには海外作家の作品が並ぶ。壁面を飾るのは米ロサンゼルスのアーティスト、ティム・ホーキンソン(Tim Hawkinson)氏が東レ(株)と三宅デザイン事務所がファッションブランド「プリーツプリーズ」のために開発した布地を使って1997年に制作した「ニュマティックキルト」。空調ダクトにつないで風を送り込むことで、大きく膨らむ仕組みになっている。反対側の壁面には、パリと東京を拠点に活動するCGアーティスト、パスカル・ルラン(Pascal Roulin)氏がニュマティックキルトにインスパイアされて制作した、プリーツプリーズが楽しく踊るCGアニメーションが投影されている。
また、ルラン氏は三井不動産(株)とのコラボレーションで制作した、江戸時代と現在の日本橋をCGでつないで表現した「視線の架け橋」も出品していた。視線の架け橋は1つの画面に並んで表示されている“江戸”と“東京”が同じアングルで表現されている。