ソフトバンクモバイル(株)は28日、2008年春モデルの携帯電話機15機種を発表した(関連記事)。東京・品川のグランドプリンスホテル新高輪にて記者発表会が開催し、ソフトバンクグループ代表の孫 正義氏が新機種を説明した。
孫氏はまず、今後の携帯電話機の目標を述べた。「弊社はこれからは携帯の時代だと思っている。携帯は単に電話をする機械から、広くインターネットの世界を利用できるように進化している。同社の携帯電話機の特徴としては、より自由で個性豊か、そして広がりのある携帯電話のラインナップを揃えていきたい」と意気込みを語った。
最初に紹介されたのは、 フルフェイス・スライド型の携帯電話機第2弾となる、「FULLFACE2 SoftBank 921SH」だ。本体下側にタッチセンサーを内蔵しており、ほぼすべての機能が、スライドしてボタンを出さなくても操作できるのが特徴。
また、携帯を横にすると自動的に表示されている画面も横画面になる「モーションコントロールセンサー」を内蔵する。同機種に対して孫氏は「若者の感性にフィットした、世界で始めてのフルスライダー、フルフラット、フルフェイスの携帯電話機」とコメントしている。
また、2007年12月に発表した“株ケータイ”「SoftBank 920SH YK」(関連記事)も春モデルのラインナップとして紹介された、世界初(2008年1月28日現在、同社調べ)の株専用ケータイと呼ばれる機種。ボタン右上部に専用の「株ボタン」が配置されており、ワンクリックでSBIイー・トレード証券(株)のポートフェリオや保有銘柄を確認できる。さらに銘柄別の株関連ニュースや保有銘柄の関連ニュースをヘッドラインとして閲覧も可能だ。
同機種は、孫氏自身が何とかしてこういう機種を作ろうという熱意の元で開発されたという。「最近、父がインターネットを使って株の売買にはまっており、今の株価が落ち着いたらこの携帯電話をプレゼントしようと思う」と述べて会場を沸かせた。
“インターネットワンセグマシン”「SoftBank 922SH」は、パソコンと同じQWERTY配列のフルキーボードを搭載している。電話は閉じたままで利用することが可能で、電話帳などの操作は天板部に内蔵されたタッチセンサーで操作することができる。
この機種は孫氏が企画したもので、「ワンセグを視聴するのに色々な形で画面をスライドしたりではなく、もっとシンプルに本体を薄くして大画面で見れ、メールを素早く打つ方法を考案した結果」と説明した。
掲載当初、上記キャプションが左右逆に表示されておりました。該当部分を訂正するとともにお詫び申し上げます。(2008年1月29日)
一部のコアユーザーに人気がありそうな「SoftBank X02NK/Nokia N95」と「SoftBank X03HT」の2機種も発表された。中でもNokia N95は、カメラ部分に独カールツァイスを提携したことにより実現した専用のレンズを採用している。またワンクリックで「mixi日記」などにアップロードすることが可能な「シェアオンライン」機能を搭載しているため、撮った写真をすぐにmixiにアップロードすることができる。孫氏は、「これを使えばデジタルカメラで撮影した画像を利用しなくても、この携帯カメラで撮影すれば高画質の画像をmixiにアップロードできる。」と語った。
THE PREMIUM TEXTURE SoftBank 823SHは、より女性に親しみやすいように、女性がワクワクできるよう開発されたプレミアムシリーズの延長線上の機種。9種類のテクスチャーと、2種類のボディーカラーの組み合わせを好みに応じてコーディネートできる。また、ワンセグ搭載機ながら薄さ約14.3mmを実現しているのも特徴だ。
また同機種は、日本の和をモチーフにし、京友禅や京漆器をパネルに取り入れた製品も2機種発売する予定。京友禅は「木村染匠」、京漆器は「象彦」とのコラボレーションにより実現したもの。価格などの仕様詳細は現時点では未定となっている。孫氏は「漆は塗り重ねて、乾かすだけで1ヵ月かかる。大変な時間と手間をかけた日本の伝統の美しさ」と製品のアピールをした。
最後に、サプライズゲストとして女優の上戸 彩さんが登場するとともに、上記のプレミアムシリーズの延長だが「次元が違う」製品であるというティファニーとのコラボレーションにより実現した携帯電話「ティファニー・ケータイ」が発表された。
ティファニー・ケータイは、プラチナの下地に20カラット以上のダイヤモンドを400個前後あしらったもので、10台限定の価格は1000万円以上になるという。孫氏はティファニー・ケータイについて「このために“THE PREMIUM”という名前があったのではないかと思う。ティファニーさんは伝統のある会社で、提携して製品を出すというのは50年以上一度もないらしい。私は是非ともティファニーさんと提携したいと熱意の元でで申し込んだ」と熱く語った。
また孫氏は「うちの社員に誰にも言ってなかったが、上戸さんは大変活躍頂いているので、1台プレゼントします」と太っ腹発言をし、それを受けた上戸さんは吃驚して「うっそー」と今までの冷静にコメントしていたのが嘘のような裏返った声を上げていた。