全銅製はダテではないでござるの巻
「NINJA COPPER」
続いてはサイズ「NINJA COPPER(全銅忍者)」だ。かねてより高性能静音クーラーとして評価の高かったシリーズの最新版であるこの製品は、フィン部分の材質を全て銅製に変更したもの。製品には12cmの静音ファンが付属している。歴史あるNINJAシリーズが全銅製になってどう変化したのかをチェックしてみたい。
パーツ点数は16点とやや多い。ヒートシンクの固定方法はSocket 478時代に多用されたリテンションベース+バネ状金具による固定だ。組み立て自体はそれほど難しくないが、このバネ状金具を引っかけるのは少々骨が折れる。今回のテストマザーのようにソケット周囲に大きなヒートシンクがあると、指を突っ込む場所が狭くなるため、力をかけるのが困難になるためだ。取り外しはプレートを外せば簡単にできるが、取り付けは一番これに手を焼いた。
固定にやたら苦労させられたが、結果を見ればそんな苦労はどこへやら。定格で負荷をかけても40度、オーバークロックでも46度。さすが全銅にしただけのことはあると唸ってしまった。ファンの性能を上げればもっと冷えることは確実だが、付属のファンは静音性も高いので、カリカリチューンを目指すのでなければ、無理に変更する必要はないのかもしれない。
ファンの性能はどうしよう?
Thermalright「HR-01 Plus」
ラストエントリーはThermalright「HR-01 Plus」。6mm径のヒートパイプ6本をU字型に配置した製品だ。本製品にはファンは付属していないため、前出の「NINJA COPPER」のファンをそのまま流用してテストを行なった。
パーツ点数は21点(ファン含まず)と多いがパーツの構造がよく考えられており、組み込みの苦労は見た目ほどではない。基板表裏にプレートとベースを固定し、ヒートシンクはバネ状板を使ってネジ留めする構造だ。むしろヒートシンクに付属の針金でファンを固定するのにイライラするかもしれない。
ファンが付属しない製品のため、装着するファンの性能で結果が変わるのは明らかだ。そこで別途「NINJA COPPER」付属のファン(40CFM)よりも強い12cmファン(70CFM)を装着したときのデータも計測した。それが下のグラフだ。
これによると、40CFM程度のファンを使った場合、「NH-U12P」とほぼ同程度の性能であるといえる。ファンを強化すればさらに冷えるが「NINJA COPPER」の領域に達するには70CFMのファンでは到底足りない。この製品のコンセプトからすれば、無理に高回転ファンを使うよりも静音ファンで定格動作のCPUをキッチリ冷やす、という用途の方が合っていそうだ。
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