月刊アスキー 2008年3月号掲載記事
昨年、日本音楽著作権協会(通称JASRAC)と、動画投稿サイトの二大巨頭「YouTube」「ニコニコ動画」がそれぞれ楽曲使用料の支払いについて協議に入った(1月初旬現在で協議中)。これについて著作権問題に詳しいジャーナリストの津田大介氏に話を聞いた。
―― 動画投稿サイトが提携に動いた理由はなんですか。
「合法的なサービスとして認められたい」ということですね。YouTubeはアメリカのデジタルミレニアム著作権法(DMCA)を守っていますが、日本の著作権法には業者に有利な免責条項がないので、同社は日本法人を作らず法的リスクを避けてきました。しかし日本市場の大きさを無視できないし、ビジネスを広げていきたい。またニコニコ動画についても、母体のドワンゴは上場企業ですから訴訟リスクは放置できません。JASRACは一番交渉しやすい存在なので、ここを足がかりにまずひとつクリアしたいというところではないでしょうか。
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| 日本の楽曲の9割以上はJASRACによって管理されている。このように強力な団体が存在していれば、利用者である動画投稿サイトは交渉窓口を絞り込めるので、対応がスムーズになる。JASRACサイドも、大きな収入源である着メロの楽曲使用料がピークに達しており、新しい媒体に期待を持っているはずだ。 |
―― では楽曲以外の著作権利者についてはどうでしょうか。
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| JASRAC級の大きな管理団体がないほとんどの著作物については、それぞれ個別の著作権者に対して交渉をする必要がある。特に、テレビ番組は権利が複雑。これをどのように扱うかが今後の最大のポイントになる。 |
テレビ番組などの動画コンテンツの扱いは難しいですが、これにも許諾を求めるでしょう。YouTubeはGoogleの豊富な資金と技術力を背景に解決していくと思います。画像識別用のフィンガープリントツールを開発中ですが、これで違法な投稿を見つけやすくなります。すると権利者が後から利用を追認するなどして、ユーザーが勝手に投稿したコンテンツから利用料の徴収も可能になる、と提案するわけです。このように、単に削除するのではないビジネス展開を狙うと思います。
ニコニコ動画は囲い込んだ有料会員の中でのサービスを強化するでしょう。おそらく動画の販売を始めたり、マッシュアップを期待するコンテンツホルダーとの提携を増やすと思います。
―― 著作権利者側は動画投稿サイトをどのように見ているのでしょうか。
2005年にYouTubeが誕生し、放置していたらあっという間にインフラになってしまった。もはや止められないし、それを認識した上で対処するでしょう。動画投稿サイトは、今後確実に合法的なものになっていくと思います。














