Macworld 2008 リポート Vol. 9
「Mac」が主役に返り咲き──波に乗るアップル、活気に溢れるMacworld会場(後編)
2008年01月23日 11時20分更新
計算の元に作り出された行列か?
単なる偶然と思うかも知れないが、すべての判断の裏に、綿密な話し合いと計算があるのがアップルだ。
例えばアップルの新製品はよく「2週間後に発売」、「○月に発売」と発表される。しかし、経験を積んだ取材者なら、だいたいいつ頃の発表になるか検討がつく。土曜日の朝一番や金曜日の夕方など、人々が行列をつくりやすいタイミングが狙われる(関連記事1、2)。それに合わせて事前にマスコミに行列ができるので取材に来てください、と案内が届く(筆者のところには来ないことがあるが……)。
行列や人混みは、ユーザーの忠誠度や人気の象徴。アップルはこうしたものを効果的に作り出し、演出しているのだ。
今回のアップルブースでも、人混みや行列ができやすいように、MacBookがズラっと並んだテーブルの横には、かなり広い行列用スペースが用意されていた。
もっとも、交差点の人混みがアップルが計算的に作り出したモノだとしても、Macworld Expoの熱気は決して嘘ではない。Macworld Expoの開催週は、サンフランシスコの街がアップル一色に染まっている。
筆者紹介─林信行
フリーランスITジャーナリスト。ITビジネス動向から工業デザイン、インタラクションデザインなど多彩な分野の記事を執筆。「MACPOWER」「MacPeople」のアドバイザーを経て、現在、日本および海外の媒体にて記事を執筆中。マイクロソフトの公式サイトで執筆中の連載「Apple's Eye」で有名。自身のブログ「nobilog2」も更新中。近著に「スティーブ・ジョブズ ー偉大なるクリエイティブディレクターの軌跡」(アスキー刊)、「iPhoneショック」(日経BP刊)、「アップルコンフィデンシャル2.5J」(アスペクト刊)、「ブログ・オン・ビジネス」(日経BP刊)など。