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MITメディアLAB 取材こぼれ話

2008年01月21日 00時00分更新

文● 増田祥子(月刊アスキー編集部)

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 1月17日、六本木の国際文化会館で行われた「MITメディアLAB」に行って来た。マサチューセッツ工科大学のメディアラボの最先端の研究を企業スポンサーに発表する場で、地元ボストンでは毎年2回に行われる。日本での開催は初の試みで、所長のフランク・モス氏、副所長のジョン・前田氏を筆頭に教授陣が来日。会場は、スポンサー企業の研究者など約250人で埋め尽くされた。

 熱い議論が展開される会場外のホワイエに、NECのロボット「PaPeRo(パペロ)」が愛くるしい姿を見せた。MITがUCLAと共同開発する子供向けのプログラム開発環境「Scratch」で動きを定義するデモだった。自律性を重視して開発されているPaPeRoは、外部から動きを定義する必要はないのだが、この日はワイヤレスでScratchのプログラムを受信して動いていた。

 アジア人と西洋人でごったがえすホワイエで、PaPeRoを前にどうしたものかと立ち尽くしていると、なぜかアジア系アメリカ人だと思われたようで、「プリーズ・プッシュ」と英語で説明を受けた。頭を押すように撫でると、PaPeRoが「ハロゥ」と挨拶する。

 「すいません、英語が日本語訛りのようですが、PaPeRoさんはやはり日本人なのでしょうか?」

 「あ、現状では日本語で音声を入力しているため、英語の発音ができないんです」。

 私のとんちんかんな質問に、真面目に答えてくださった説明員の方には、本当に頭が下がる。

 「認識も日本語ですから、正しい発音で“Hello!”と言われてもわからないんです。今日のために急遽英語を習得したものですから、そんなお茶目な一面も……」。

 説明員の方と私の微笑みもつゆ知らず、PaPeRoは右へ左へ愛想を振りまいていた。

 この日の主人公であるScratchは、ブロック状の定義をLEGOのように組み合わせていくだけで、アニメーションやゲームなどを制作できるというもの。「入れ子」などのプログラムの構造などが、ぼんやりとわかるようになっていて、プログラムを学びながらクリエイティビティを育むことができる。多言語に対応していて、日本語で開発されたプログラムを途中から英語で引き継ぐ、といったことが可能な点も特徴のひとつ。日本人とアメリカ人の子供たちのコラボレーションも現実的な話なのだ。

  ScratchのWebサイトのコミュニティでは、子供たちの作品を見たり、プロジェクトをダウンロードすることができる。対象年齢は、8歳から15歳。これなら32歳になってしまった私でも、抵抗なくプログラムを習得できるかもしれない。

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