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ドメイン名が変わる ―― トップレベルドメイン名の国際化がいよいよ現実に

2008年01月18日 19時30分更新

文● 編集部

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【コラム1】国際化ドメイン名とは?


 国際化ドメイン名とは、本来は英数字しか使えないドメイン名に英数字以外の文字を使えるようにする技術の総称である。


JPRSのサイト

JPRSのサイトで提供されている、ピュニコード変換サービス

 その仕組みでは、例えば全角大文字の「A」や半角小文字の「a」といったような文字を同一の文字に置き換え(これを「正規化」と呼ぶ)、「ピュニコード」(punycode)という方法で英数字に変換する。一例を挙げると、「日本」という漢字は、最終的に「xn--wgv71a」という英数字のドメイン名に変換され、置き換えられるわけだ(この変換に興味があれば、JPRSのサイトを訪れてみるとよい)。


 この技術により、ドメイン名に英数字以外の文字を使うことができるようになった。その文字を使っている言語圏ではその文字が表示され、それ以外の環境では、例えば「日本」の部分が単に「xn--wgv71a」と見えるだけでアクセス不能になるわけではない。


・なぜTLDが国際化しなかったか?


 しかしこれまで使えるのは、「アスキー.jp」のように第2レベル以降のドメイン名に限られていた。これは、トップレベルドメインが「ルート(root)ゾーン」として、ICANNによって厳重に管理されているからだ。


 インターネットは、ルートを頂点とした単一のツリー構造を取っている(図1)。ツリー構造とは、木の根のように、ある一点を原点としてそこから枝分かれを繰り返して広がっていく構造のことである。そして、インターネットにおいて相手を特定するためには、この“ルート”からドメイン名の並びに従って木構造を順次下側にたどっていく必要がある。

JPRSのサイト

図1 インターネットのツリー構造

 ここで注意すべき点は、ドメイン名の検索には必ずルートにアクセスする必要があるということだ。ルートが何らかの理由で止まってしまうと、インターネットが機能不全に陥ってしまう。それが故に、ルートゾーンの管理には慎重さが求められるのである。


 そうした制約の中で、ICANNは国際化トップレベルドメイン名(IDN TLD)に関する技術評価試験を開始した。これは、トップレベルドメインに国際化ドメイン名技術を使ったドメイン名を登録し、その評価や影響の調査を行なうという目的もあるが、IDN TLDが十分な実用段階に入ったことを示す動きでもある。

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