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2008年01月23日 23時30分更新

VPN導入事例のここに注目!

ビジネスの規模とスピード感に合わせたVPN導入とは?

第4回 クリオンの導入事例で見る「Group-VPN」導入の必然性

文●ネットワークマガジン編集長 大谷イビサ

ALC(Autoclaved Lightweight Concrete)と呼ばれる建材で高いシェアを誇るクリオン。事業統合とそれにともなうネットワークの統合、フレームリレーや広域Ethernetから、よりコスト効率の高いGroup-VPNへの移行など、組織やビジネスの変化に合わせ、ネットワークを構築してきた。

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 2000年以降、企業の事業統合や買収、分割などが増えている。この背景には、平成に入り次々と実施された国内での法制度整備がある。商法の改正や産業活力再生特別措置法の設立、事業統合・会社分割時の税的優遇を含む法人税法の改正など、1990年代後半からの10年は、不況下における経済再生のため、国策として企業の再編が積極的に推進された時期に当たるのだ。

 その結果、昨今では他社システムやネットワークとの統合を短期間で実現しなければならないという事態が多くの企業で起こっている。こうした統合に際しては、サーバやアプリケーションの一元化、ネットワークや機器の共用、セキュリティポリシーの統一化、そして適正な予算配分などの気の遠くなるほど数多くの作業が必要だ。そもそも、ネットワーク自体の戦略的な価値自体が企業によって異なる中、ネットワーク管理者は、まったくポリシーの異なるシステムやネットワークを統合するという難プロジェクトに当たらなければならない。

 また、ネットワークの更新に関しても、スピード感が必要になっている。回線や機器の入れ替えにコストがかかり、保守サービスの更新などもあるため、従来は短い期間でネットワークを入れ替えることは決して得策とはいえなかった。しかし、上記のような企業の再編はもちろん、営業拠点や店舗の拡大・縮小などを行なうと、短い期間でネットワークを更新する必要が出てくる。通信事業者が次々と新しいサービスを投入している昨今、ふとすれば自社のネットワークはあっという間に陳腐化してしまう可能性すらある。

 今回のクリオンの事例でもポイントとなるのは、企業再編と時代にあったシステム統合化というテーマである。いったん導入したネットワークに安住せず、最適解を模索し続けている同社のネットワークのあらましを見てみよう。


3社の事業統合と統合前のIT化

最適なネットワークを模索し続けて


 クリオンは、日本シポレックス、日本イトン工業、小野田エー・エル・シーの3社が2000年に事業統合してできた会社である。

 小野田エー・エル・シー設立時の1970年代当初はALC規格品の大量生産をベースにしていたが、その後、顧客の要望に合わせた受注生産に軸足を移す。この過程で、受注生産を支える生産管理システムが導入され、次にFAにより生産の工程まで自動化。さらにグループウェアなどのアプリケーションも利用するようになる。こうしたユーザーのニーズや利用状況の変化、レガシーシステムの排除などが、クリオンのネットワーク更改の背景にあったようだ。

VPN第4回
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 2002年の事業統合当初、3社のネットワークを統合する目的のため、13拠点をフレームリレーで接続していた。しかし、顧客である販売代理店、建設メーカー、施工者なども積極的にインターネットでの情報共有を行なうようになると、100名の拠点でもフレームリレーの64kbpsでは、帯域が不足してくるようになった。

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 2003年、同社はパフォーマンスを高速化するため、NTTコミュニケーションズの中小企業向け広域Ethernetである「スーパーハブ(Super HUB)」を試験的に導入した。ホストでの通信も確認したことで、フレームリレーを徐々に廃し、2004年には、全面的にスーパーハブに移行した。


トラフィック増大とコスト削減のため

「Group-VPN」を導入


 スーパーハブにより、帯域が増強されたとはいえ、運用コストはフレームリレーとほとんど変わらなかった。また、同時期に東京での本社移転があり、トラフィックが集中。また、現場からデジタルカメラで撮影した写真などを送受信することも増え、ネットワークが限界に達した。

 この結果、同社が選んだのが「Group-VPN」である。Group-VPNであればブロードバンド回線を用いるため、トラフィック増に対応でき、さらにコストも下げることができる。

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 2005年、全拠点に「Group-VPN」が導入され、ブロードバンド化が実現。「社員から『ちょっと応答が遅いんだけど……』という今までの問い合わせがなくなり、効果を実感しています」(情報システム部 吉岡氏)という目に見える導入効果をもたらしている。

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 2006年には各拠点において「Group-VPN」を3本導入。基幹系や情報系など、サービスごとに利用するネットワークを分けることで、負荷の分散と回線の冗長化を実現した。


「低価格=信頼性が低い」はすでに過去のもの

「Group-VPN」とバックアップの活用


 このようにクリオンのネットワークは企業再編とネットワークサービスの進歩に併せて、形を大きく変えてきた。つまり、フレームリレーからスーパーハブでさらに安価なブロードバンド「Group-VPN」をリプレースすることで信頼性と帯域を確保してきたのである。

 今回、特に重要になるのが、信頼性の考え方である。同社では、工場のネットワークの信頼性について「瞬断は許容されるが、数時間止まると業務に影響がある」というきわめて明確な判断基準を持っている。そこから考えるとコストをかけて高い専用線を導入するより、安価なVPNを複数用意したほうが、効果的という判断がされたわけだ。

 そして、こうした信頼性の要件に対応したのが、Group-VPNのメニューの1つである「Group-VPN Plus」だ。Group-VPN Plusでは、フレッツ網などメインのアクセス回線のバックアップとして、ACCAのADSL回線やISDNを利用できる。各拠点のルータからGroup-VPN網に対してPingを送信しており、この応答が一定時間途切れた段階で、バックアップ回線に自動的に切り替わる。異なるキャリアに回線を任せることで、いわゆる「キャリア分散」が実現されるため、耐障害性は高い。クリオンでは工場の接続でこのGroup-VPN Plusを導入し、前述した信頼性の判断基準を満たすようにしている。実際の導入については「実は以前回線が切れたことがあるんですけど、自動的にバックアップ回線に切り替わっていて気が付きませんでした。やっぱり効果はあるんだなと思いました」(吉岡氏)とコメントしている。

 自然災害の多い日本の地理的条件や業務でのネットワークの重要性を考えると、こうした信頼性の高さはVPN選びの大きな条件といえる。

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まとめ


 冒頭にも述べた通り、ビジネスの規模やスピード感は刻一刻と変化していくものだ。事業統合や組織の再編、新規事業への進出や早急な撤退。こうした変化に対応するための方策として、昨今SaaSのようなオンラインアプリケーションがもてはやされている。同じように、最適なネットワークを模索し続け、年々ネットワークを更新していくという企業も決して珍しくない。そして、こうしたダイナミック成長型ネットワークの代表格ともいえるクリオンが、コストやセキュリティ、帯域などさまざまな条件で選んだ拠点間接続サービスが、「Group-VPN」や「Group-VPN Plus」というわけだ。

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協力:NTTコミュニケーションズ株式会社

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