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エースコックが“ユーザーと一緒に作った”カップめんを発売

mixiを使った商品開発成功のカギは「ユーザー目線」と「キャラクター」だ

2008年01月18日 22時12分更新

文● 藤本典子(編集部) 写真●小林 伸

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月刊アスキー 2008年2月号掲載記事

mixi画面

12月10日、エースコックが発売した「つゆ焼そば」と「カレーラクサ春雨」は、mixi上で募集したアイデアを商品化したものだ。

商品の一部にアイデアを取り入れた例はあるものの、企画段階から企業とユーザーがやりとりしながら商品化したのは、mixiではこれが初めて。専用コミュニティではユーザー同士で活発な意見が交わされ、商品発売前からすでに「ファンの集まり」として機能していた。

商品企画を担当した同社マーケティング部の村上稔氏によると、ユーザーの声を取り入れるためにSNSの利用を思いついたという。

村上 稔氏

「つゆ焼そば」と「カレーラクサ春雨」を手にするエースコックの村上 稔氏。専用コミュニティのメンバーは2842人(12月3日現在)、アイデアは合計735件が集まり、企画は予想外の成功を収めた。

「最大手のmixiなら、カップめんに対する感度の高い方が多く集まると期待できました」。しかし自由なコメントが集まる反面、担当者の振る舞いによっては反感を買ってしまう懸念もある。

「自分の発言の影響度は高いですから、自分も一ユーザーのつもりで、いつも“ユーザー目線”を意識していましたね。気にかけたのは、最終案の発案者が途中で退会しないよう、常に盛り上げていくこと。個別にアプローチして引き留めることは一切できませんから」。

良い雰囲気を持続できたのは、村上氏が演じる開発員「コブかみ」というキャラクターの役割も大きい。常にハンドルネーム「コブかみ」を名乗り、マスコミ発表会を兼ねたオフ会でも同社のキャラクター「こぶた」のかぶり物で顔を隠す徹底ぶり。

「ユーザーのイメージを壊さないようにする気遣いです。これで、よりユーザーに近いイメージを作れたし、ユーザーからの蕫バリア﨟のような役割を果たした可能性もあります。企業のリアルな顔を見せていたら、結果は違っていたかもしれません」

年間600~700アイテムが発売され、商品寿命は短いもので1カ月、という激戦のカップめん業界。話題作りとユーザーの囲い込みに発売前から成功したこの商品の期待値は高い。

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