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キャリア・ピックアップ 第27回

ITトレンド2008! 今年身に付けるべきIT技術とは

2008年01月10日 13時26分更新

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■マイコミエージェント(人材紹介サービス会社)が考える2008年に注目すべきIT技術「.NET」「アーキテクト」

2008スキルトレンド

マイコミエージェント           ITチーム キャリアコンサルタント    松木 真悟さん


●.NET

 今注目されつつあり、今後主流となっていくことが予測される技術としては「.NET」が挙げられます。これはマイクロソフトが提供しているアプリケーションの開発および実行するためのフレームワークで、非言語依存の特徴があります。近年、マイクロソフトが従来の主力製品のみではなく、その周りを取り巻くサービスすべてを提供していく方向性を強化したことで、ソフトの導入実績が増加。そのため.NET技術を使える人材の需要が急増しています。

●アーキテクト

 トレンドという意味では「アーキテクト」という職種が挙げられます。アーキテクトはシステム面でのデザイナーであり、アドバイザー的存在です。そのため、技術的な知識にプラスして、高い企画力や提案力を持つなど営業的な側面も必要になります。技術力に自信があり、かつプラスα的な要素を必要とするこのアーキテクトは、2007年のトレンドと言えました。アーキテクトを極めたいという人材は多く、またそういった人材を求めている企業も多数あるため、2008年も引き続き需要が伸びていく職種でしょう。

■テンプスタッフ・テクノロジー(研究・派遣サービス会社)が考える2008年に注目すべきIT技術「Java(組み込みJava)」

2008スキルトレンド

テンプスタッフ・テクノロジー株式会社 営業企画室 マネージャー        二木 文治さん


●Java(組み込みJava)

 昨年はWebを利用したサービスが浸透し、Web2.0がトレンドとなりましたが、今年はさまざまな業務アプリケーションがSaaSで提供されてきています。こうした状況を受け、Webアプリケーションの開発やセキュリティへの対応は、より高度化、スピード化し、今後もますますWeb技術を使用した開発が主流になると予想されます。そこで必要な技術である「Java」や「OSS(オープンソースソフトウエア)」を使える技術者への注目は、今後もますます高まっていくでしょう。また、日本の根幹産業であるモノづくりの現場においては、これまでC言語が主流だった制御・組み込み分野で、複合機や携帯電話などの開発に「組み込みJava」のニーズが高まっています。Webとモノ、モノとモノが連携しあうユビキタス社会に向けて、Javaの広がりは大いに期待できます。

2008年ITトレンドまとめ

 ベンダーやITコンサルタントの視点でのトレンドは昨年もしばしばメディアに取り上げられていたSaaSなど、今年いよいよ急速な普及が見込めるものに注目が集まっていた。一方「求められる人材」という転職市場の視点ででは「.NET」もそうだが、実装・導入がすでに広がっている製品やサービス、技術に対してのスキルを持っている人材──使いこなせる人材──がトレンドになっているようだ。Javaなどプラットフォームに依存しない、開発効率の高い言語は、変化の激しいIT業界において、需要が安定して伸びているということだろう。

 また、転職市場の需要がベンダーやITコンサルタントのITトレンドと異なってみえるのは、今は需要が伸び悩んでいる技術であっても、今後、再度伸びてくるものも多いことが背景にあるようだ。このことについて、マイコミエージェントの松木さんは次のように語っている。

「たとえば、比較的古い技術といわれているCOBOLであっても、金融不況花盛りの2005年あたりでは、金融システムで主に使われる言語であるCOBOL技術者の採用は少なく、『とにかくJavaをやっていなければ……』というような空気がありました。ところが、近年の景気上昇に伴い、現在は金融系の技術を持った技術者も多大にニーズがある。好景気にあわせ、これまでCOBOLで開発していたものをオープン系へとシフトさせるという動きもあり、COBOL技術をきちんと知っている人材で、Web系に移行したいと考えている人材などは、現在引く手あまたの状態になっています。また、VBなども新しい技術ではないが、ニーズがないわけではありません。業界的にニッチといえる技術は、それを知っている人材も少ないため、トレンドとは言えなくてもニーズがあります」(マイコミエージェント 松木さん)

 このように4社の各現場における2008年のITトレンドを見てきたが、知ることだけで立ち止まってはならない。トレンドから、社会のニーズが向かっている方向を見極め、業務やキャリアアップに役立るべきだ。そのために、一年のはじまりの今、己の現場と現状を見つめ直し、社会のニーズを考慮した年度計画を立ててはどうだろうか。

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