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【CES 2008 vol.6】世界最大150インチプラズマテレビが登場!――松下 坂本氏基調講演にて

2008年01月08日 17時35分更新

文● 編集部 飯塚岳史

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 米ネバダ州ラスベガスで1月7日(以下、現地時間)から10日まで開催される家電・デジタル機器の巨大展示会「2008 International CES」(以下、CES 2008)にて、7日朝に米国家電協会(CEA) CEOのゲイリー・シャピロ(Gary Shapilo)氏および松下電器産業(株)専務兼パナソニックAVCネットワークス社 社長の坂本俊弘氏による基調講演が行なわれた。

規制のない自由な貿易がこれからの革新に必要


シャピロ氏

CEAのCEOを務めるゲイリー・シャピロ氏

 シャピロ氏はこれからの10年間で次々とテレビがアナログからデジタルへと切り替わっていくことを挙げて、「デジタル革命の音が家庭をいっぱいにする」と表現。GPSなどの機器の活用により、いつでもどこでも大切な人や物、仕事へとアクセスしやすくなると述べた。

 その上で、アメリカ経済は現在のトレンドとして、規制を加える「孤立した経済」への道に進もうとしていると語った。しかし、デジタルに革新をもたらすには、そういった保護主義ではなく、国際的な自由貿易を行なうべきであるとし、自由貿易と競争が活力を与えてくれるものである、と説明した。

Susan C. Schwab氏

自由貿易の重要さについて、8日16時(現地時間)より、Susan C. Schwab氏による講演がLVCCで行なわれる予定


「技術はときに人々を離すが、
我々は人を結集させようとしていく」


坂本氏

松下電器産業 専務兼パナソニックAVCネットワークス社 社長の坂本俊弘氏

 坂本氏はまず、4年前に同様に基調講演を行なった松下電器産業 代表取締役社長の大坪文雄氏が語った、HD-PLCやSDカードを利用したHDビデオカメラなどの製品について「現在ではすでに実現している」と語った。その上で「これからの数年間について」という形で、今回の基調講演をスタートさせた。

 坂本氏は、「技術が発展すると、ときに人を遠ざけていってしまうが、我々は逆に人を結集させようとしている」と語り、「Living in High Definition」(生活をHDと共に)というテーマで、ある日同社HD対応製品に囲まれて生活することになった家族の話をムービーで紹介した。

Living in High Definition

HDと共にある生活、それがLiving in High Definition

 これらのムービーでは、大型プラズマテレビ、デジタルカメラ、HDビデオカメラなど数多くのHD対応製品が自宅に来た喜びと、それらによって生活がより明るく、エキサイティングになった様子が描かれており、製品によって家族の絆をさらに深められることを伝えるのが狙いだ。

家族

大きな箱が玄関前にいくつも重なり、大興奮の家族たち


ついに登場
世界最大の150インチプラズマ!


 次に同社が取り組む環境問題への説明がされた。製品での鉛、水銀フリーはもちろんのこと、年間30万トンの二酸化炭素排出量の削減や、すべての製品における消費電力の半減などを目標としているという。

「Panasonic eco ideas」として、環境問題に取り組み二酸化炭素排出量や消費電力の削減に取り組んでいる

 続いて、厚さ1インチ以下という驚異的な薄さを誇る50インチプラズマテレビが登場したほか、「もうひとつのビッグなサプライズ」として、2006年のCESにて発表された103インチの超大型プラズマテレビから、約1.5倍の大きさとなった150インチのプラズマテレビが登場した。もちろん世界最大である。プラズマテレビと並んだ坂本氏を見れば、その大きさは確実に分かると思うが、「大きな象も身近に感じられる」という。

超薄型プラズマ

まず最初に登場した厚さ1インチ以下(24.7mm)の超薄型プラズマテレビ

超大型プラズマ

誰もが息を呑んだ、150インチプラズマテレビが登場! スポーツ放送も臨場感があふれすぎるほどだという

 この150インチプラズマテレビは、500万平方フィートの面積を持つ5つめの工場が完成すれば、出荷が開始できる段階になるという。なお、前述の103インチプラズマテレビは、現在まで全世界で約3000台が販売されている。


Wireless HDでHDTVもケーブルレスの時代へ


Wireless HD

広帯域が必要となるHD映像さえもワイヤレスで送信できる「Wireless HD」

 さらにそう遠くない未来の話として、HD映像ですらケーブルレスで接続できる「Wireless HD」(関連記事)について、デモを交えながら説明した。デモでは、坂本氏が大きなハサミを持って、HDプレーヤーから映像がテレビに送信されている中、複雑に絡み合うケーブルを真っ二つにするデモが行なわれ、会場からは拍手が送られた。

HD対応プレーヤーがHDTVに無数のケーブルで繋がっているように見えるが、それを大きなハサミで切ってしまう! でも、映像はそのまま

 また、HDビデオカメラをプレーヤーの上に置くだけで認識させ、テレビへと転送するデモも行なわれた。たった今撮影された坂本氏の映像がコマ落ちすることなく、HD画質で表示されていた。

カメラ

直前まで撮影していたHDビデオカメラをプレーヤーの上に置くと……

観られる

テレビへの動画の転送が始まり、そのまま観ることができた



Youtube対応HDTVも登場!?――VIERA CASTとは?


 続けて、「HDTVをさらに革新させるため」の手段として、GoogleおよびYoutubeなど、ウェブサービスとの連携機能「VIERA CAST」が発表された。

VIERA CAST

Youtubeなどのウェブサービスと連携する「VIERA CAST」のイメージ

 HDTVとYouTubeを合体させることで、パソコンを利用せずにYouTubeにアクセスでき、家族みんなで楽しめる。そのほか、Googleが提供するウェブアルバムサービス「Picasa」(ピカサ)に対応し、ほかの人のウェブアルバムをVIERA上で閲覧できるようになる。また、天気情報などの取得もでき、テレビだけでウェブのサービスを利用できるのが特徴だ。

ネット対応LUMIX

坂本氏が手に持っているのは未発表のネット対応LUMIX。回線がある場所なら撮ってその場でウェブにアップロードできるという

アルバム

テレビでほかの人のアルバムを見ることができる

 こうした技術は、同社が持つ「テレビはエンターテイメント以上のもので、情報管理の中心となるもの」というビジョンのもとに考えられており、最終的にはテレビを通して、ホームネットワークを管理できるようになるのが目的だ。

 最後に、壁一面をカスタマイズできるバーチャルな世界として創造できる「ライフウォール」を紹介した。これは、いわば壁をタッチスクリーンとするもので、前日にビル・ゲイツ氏が実演した「surface」(関連記事)をさらに拡大したような感じだ。

 手を使った直感的なインターフェースで、壁に自宅の様子を表現し、額縁に入れた絵を大きさを自由に変更しながら設置したり、まるでドアを開けた向こうに友人が立っているように、ビデオチャットができる様子が表現されていた。

ライフウォール

壁一面に描かれた自宅の様子をそのまま手で動かしてカスタマイズできる

ビデオチャット

ビデオチャットもまるでそこにいるように表示している


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