iPhone、100ドルPC、Rolly、Eye-Fi Card、Spider Pro
日本未発売のレアモノ続出! 林信行お勧めの、忘年会で大ウケした「ガジェット5」
2007年12月30日 09時00分更新
【2】日本の教育の未来が見える「100ドルPC」
2つ目に紹介するアイテムは、最近、入手したばかりの「OLPC XO」。発展途上国の子供達の教育ツールとしてつくられたパソコンで、俗に言う「100ドルPC」だ。
以前、雑誌「R25」で、この100ドルPCを紹介する記事を書いた(関連リンク)。この記事にあるように、OLPCの事務局にSkypeで電話をかけ、「先進国にも100ドルPCを欲しがる人は大勢いるはず。その勢いを生かして、先進国の人に2台分のお金を出してもらい、1台を発展途上国に寄付するようにしてはどうか」と提案させてもらった。
この願いが2年越しで叶い、2007年年末までの期間限定で、「Give One, Get One」というプログラムが行なわれることになった(ただし、米国在住者だけがターゲットのプログラムだ)。
OLPC XOをイベントで取り出すと、まずはその愛らしいデザインに注目が集まる。
残念ながら時間がなくて、すべての忘年会ではデモできなかったが、実はプリインストールのソフトも非常によくできている。OLPCは、教育向けツールとして作られたパソコンだ。それだけに子供達の好奇心を刺激し、ものごとを試してみようと思わせるようなソフトが、実にたくさん仕込まれている。
例えば「Measure」というオシロスコープのようなソフトを起動すると、周りの音に反応してグラフが揺れる。これを見て子供達は音に興味を抱き、拍手してみたり、奇声をあげたりして、音を楽しみだす。
「Turtle」というタートルグラフィックスを描くソフトもある。タートルグラフィックスがどのようなものかは、ぜひとも検索して調べてほしいが、このソフトで遊ぶことで、図形に対しての興味が芽生えそうだ。
そしてなんといっても究極は、アラン・ケイ氏が開発したプログラミング環境「Squeak」が標準で搭載されている。これを使えば子供でも、身の回りのさまざまな現象をプログラムとして書いて再現してみせることができる。
以前の記事で、「Did you know? 2.0」という動画を紹介し、これからインドや中国で、アメリカを上回る膨大な数の(英語を話す)大卒者が出てくるという話をした。そうした人々に加え、これから南米やアフリカの発展途上の子供達が、OLPC XOを使って、新しい時代の発想の仕方や表現の仕方を、小さいうちから身につけて育っていったとしよう。
翻って日本を見てみると、子供達は未だに受験を突破するためだけに、丸暗記やくだらない引っかけ問題の解き方ばかりを勉強している。
OLPC XOの愛らしい筐体の内側には「日本は本当にこのままでいいのか」という大きな疑問が横たわっている。忘年会でも、ついこの話しをすると熱くなり、私の話しよりももっと面白い付属ソフトの紹介がおろそかになってしまう。
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