このページの本文へ

【レポート】合格の秘訣はオタク友達を作る!?――アニメ検定成績優秀者表彰式

2007年12月27日 13時50分更新

文● 千葉英寿

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 去る11月23日に行なわれた「第一回全国総合アニメ文化知識検定試験」(アニメ検定、関連記事)の成績が発表され、受検者に向けて合否が通知された。最終的な受検者数は1307名でそのうち681名が合格した。各級受検者および合格者の内訳は、3級が受検者数503名中125名、4級が410名中235名、5級が394名中321名がそれぞれ合格した。今月23日には、同検定の成績優秀者表彰式が東京アニメセンターイベントギャラリーにおいて開催された。主催はアニメ検定実行委員会。

成績優秀者は杉並アニメーションミュージアム
在職の女性受検者!!


東京アニメセンターでの成績優秀者表彰式

アニメ検定実施から1ヵ月。東京アニメセンターにおいて成績優秀者表彰式が開催された

 アニメ検定成績優秀者表彰式は、アニメ検定受検者の中から、3級、4級、5級の各級における最優秀の成績を収めた合格者を招待し、これを表彰するもの。プレゼンターには、実際に受検者として3級にチャレンジし、見事合格を果たした声優・歌手の桃井はるこさんを迎えて開催された。表彰式終了後には桃井さんを囲んでミニトークショーが行なわれた。

 祝日ということもあり、会場にはアニメセンターを訪れた親子連れや桃井さんのファン、プレス関係者など、多くの人々で賑わった。司会スタッフが桃井さんを壇上に迎えると、茶のベレー帽で学生を意識したような姿の桃井さんが登場した。

 まず、5級の成績優秀者の方が表彰された。壇上に呼ばれたのは、神奈川県在住の石川礼奈さん。実は石川さんは杉並アニメーションミュージアムに在職されている。続いて4級。ここで呼び出されたのも石川さんだった。つまりダブル受賞ということだった。石川さんは「これから胸を張って、仕事に臨めます」、と合格の感想を語っていた。なお、3級の成績優秀者は一般のファンの方で、当日は仕事の都合から欠席だった。

石川礼奈さん

4級、5級の成績優秀者をダブル受賞した杉並アニメーションミュージアムの石川礼奈さん

 各級いずれも協賛各社からのDVDやグッズなどが副賞として授与された。ひとつひとつ賞品が紹介されると、中には“特典付きDVD BOX”のようなマニア垂涎の賞品もあり、どよめきが起こる場面も。3級成績優秀者が欠席と聞いた観覧席からは、図らずも「来ないならオレが欲しい」といった声が聞かれたのも無理からぬところか。

 なお、受検者にとっては最高得点(=成績優秀者の得点)が気になるところだが、アニメ検定事務局では「点数を競う検定ではないので、成績最優秀者の得点は公表していません」としており、各級の最高得点や平均点、得点分布などは公表されていない。また、各級の合格ラインはアニメセンターのウェブサイトでも公開している通りで、3級および4級は70%以上の正解、5級は60%以上の正解となっている。従って各級の合格ラインは、3級と4級は42問以上の正解、5 級は30問以上の正解が必要となる。受検された方は、答え合わせの結果と合否ラインを比べて、次回の受検に備えてはいかがだろうか。

DVDやトレーディングカードなどのグッズが副賞

各級成績優秀者には、DVD-BOXやトレーディングカードなどのグッズが副賞として贈られた

 試験である以上、やはり自分はもちろん、他の受検者の合否も気になるところ。桃井さんも「大学受験を思い出した」と語っていたが、次回以降はぜひアニメセンターの外に合格者名か受検番号を掲示して、“サクラ、サク”の電報受付けと胴上げや万歳三唱の光景が繰り広げられたら面白いと思うのだがいかがだろう。なお、第2回アニメ検定は来年、2008年に開催される予定だ。



アニメを見ていても「これは勉強ですから」と言えます
――桃井はるこさんミニトークショー


 表彰式が終了し、後半は桃井はるこさんのミニトークショーへと移り、実際に受検しての感想を桃井さん自身に語ってもらうこととなった。桃井さんは最初に、5級と4級の成績優秀者の方が「女性だったのは驚き!」と述べた。確かに受検会場の様子を見た印象では、圧倒的に男性の受検者が多く、その中で4、5級の成績優秀者を女性が獲得したのは驚くべきことだろう。

桃井さんと石川さん

桃井さんと石川さん、プレゼンターを務めたアニメ検定実行委員会の林部一孝氏

 桃井さんは受検会場に臨んだ当日の状況について「こういう、試験らしい本格的な試験って大学受験以来でした。受検のお誘いを受けて、気軽に申し込んだのですが、実際に受検に行ってみて、会場が大学のキャンパスだったり、受検会場にはまじめな顔した試験官の方がいて、マークシートとか鉛筆とか、まるで共通一次とかセンター試験とかそういうのを思い起こして、めちゃくちゃ緊張しました」と振り返っていた。

 受検対策について聞かれると「この公式問題集をしっかりやりました。それにしても、合格してよかった~! 試験当日、帰ってから夕方に発表になった解答を見て、答え合わせをしたらほんとギリギリかも!? という感じでした」と、受験勉強からその後までしっかり受検に取り組んだ様子を語った。また、「実際の問題には問題集に出ている問題もありました。ただ、問題集の設問の一部をアレンジしたものもあったりして。1問、そういうのがあって間違っちゃっいました。あれはひっかけだよね~」と悔しがっていた。

 さらに「次回、受検される方は、問題集をしっかり解説まで読んで、知識を深めるのが合格の秘訣です。そして、アニメを見る時にはCMも飛ばさずに、興味のない作品にも目を向けるといいですね。映画を見に行った時も、終わったらすぐに席を立たず、最後のスタッフロールまでしっかりと見ること。それからオタクの友達を作って、情報交換するといいですね」と合格者らしいアドバイスも語った。

桃井はるこさん

3級の認定証を手に終始にこやかだった桃井はるこさん

 表彰式、トークショーを通じて、しきりに得意げに認定証をかざしてポーズを取ってくれた桃井さんだが、この認定証について「認定証を持っていると割引になるとか、なにか特典があればいいのに。専用のサロンがあるとか、豪華クルーザーに乗って、ひたすらアニメを見るとか(笑)。コミケに行って最後尾に並ぶ時に、こういうものですが、と認定証を見せると、『ははは~、どうぞうどうぞ』と優先的に前に並べるとか。それは無理か!」と、桃井さんらしいユニークな希望を披露して会場を沸かす一幕もあった。また、アニメ検定をさらに盛り上げるアイデアとして、「合格祈願神社があるといいですよね。マークシート専用の鉛筆ってあるのですが、アニメ検定用の鉛筆があると楽しいですね」と語った。

 最後に「アニメを見ていると(親から)『遊んでばかりいる』と言われてきましたが、これからは自信を持って、『これは(検定受検のための)勉強ですから』、と言えます」といたずらっぽく笑っていた。


■関連サイト

カテゴリートップへ

アスキー・ビジネスセレクション

ASCII.jp ビジネスヘッドライン

ピックアップ