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Xbox PRチーム 巽氏にぶっちゃけて聞く!

【Xbox 360 インタビュー Vol.2】360はコミュニケーションツール、一緒にやるから面白い

2007年12月30日 12時00分更新

文● 編集部 飯塚岳史

ネットTVへの出演予定はいまのところなし


編集部 巽さんといえば、今年6月のE3現地レポート8月のインターネットTV出演などでネットユーザーにも認知されてきている様子ですが、今後の出演のご予定は?(笑)

巽氏 いや、特に現時点で何かあるわけではないですね。アメリカではメジャーネルソン(Major Nelson)とか、米マイクロソフト社の中の人が戦略的に出ていますが、こちらでは特に何の戦略もなく出ています(笑)。そのソフトについて語るんだったら私が語ろう、みたいな感じに出ています。

編集部 今はインサイド Xboxによく出ていますしね。

巽氏 初代Xboxの発売の頃にも報道特集とかで色々とメディアには出ていたんで、最近出だしたわけではないんですよ。ただ、2ちゃんねるとかで何だかんだと言われるようになったのは、やはりE3の吉野家レポートからですね。

吉野家

始まりとなったE3でのサンタモニカ周辺レポート。当初は近くのゲームショップを取材する予定だったが、許可が取れなかったので吉野屋になったという。その後、2ちゃんねるでの巽氏のあだ名は「吉野家」となっていた

マーケットプレース

この映像は、Xbox LIVE マーケットプレースから“ビデオ ストア→映画→E3 2007”とたどり、「E3 2007 Japan Report ~E3会場周辺レポート~」で見られる

編集部 常時接続でインターネットに接続できるユーザーが増えてきたのも要因としてあるかもしれませんね。

巽氏 初代XboxでのXbox LIVEの立ち上げのときは、「なんでISDNに対応していないんだ」なんて声も多かったんですよ。ただ、5年前から先を見据えてブロードバンドに対応していたことで、ここまでサービスが進化できたのかもしれません。

 特に、オンラインに繋いでるユーザーの比率が6割を超えていますし、ほかのプラットフォームに比べると、PCセントラルというか常にパソコンが上位接続で繋がっているユーザーが多いんですね。なので、ニコニコ動画の360ユーザー比率が高いのもそのあたりなのかなぁ、と。

編集部 動画をアップするにしても、よくみんなやっていますよね。

巽氏 あれだけ何本もキャプチャーして、みんなで見てもらうために時間を割いているのは本当にすごいですよね。かといって、それで彼らがアフィリエイトで稼げるわけでもなく、アップして見てもらいたい、それだけなんですよね。普段、プライベートでゲームを楽しんでいる人が、わざわざキャプチャーして、編集してアップして、毎日そのコメントをチェックしてなんてのは、本当に好きな人でないとやってられませんよ。

 ただ、ウェブ上で手軽に動画が再生できるようになってきたとはいえ、まだインフラが追いついてませんね。動画共有サイトにアップしてみんなで楽しむ、というのも、まだまだ快適とは言い切れないと思います。動画はトラフィックコストもかかりますし。ひろゆきさん(2ちゃんねる管理人の西村博之氏)も「動画はまだ来ていない」とコメントしていますけど。

 やはり、映像をキャプチャーしてアップロードしてみんなで見て、って環境は整っていないと思うんです。でも、そこで「PGR4」や「Halo 3」みたいに、リプレイ映像を小さなゲームデータとして共有できるのは大きいのかな、と思います。本当に一瞬でダウンロードできますからね。

編集部 Halo 3のように、プラットフォームとしてリプレイデータがダウンロードできる、というのはすごいですよね。

巽氏 この間のHalo 3大会にしても、会場に来た人はもちろん映像を見ているんですけど、自宅から全選手の視点で、大会でのプレイデータのすべてをダウンロードして360上で見られる、というのはゲーム業界でも過去にないんじゃないか? と思います。

Bungie.net

Halo 3のポータルサイト「Bungie.net」にウェブブラウザーでアクセスして、自分のXbox 360にプレイデータをダウンロードできる

 オンラインの機能としては、他機種と比べて格段にXbox 360が進化しているところですね。ただ、そこを伝えるのがなかなか難しいんですよね。


一緒にプレイできる友達がいることが「きっかけ」に


編集部 ライトユーザーにはまだちょっと早いのかな、という気もしますね。

巽氏 CMでの15秒とか、雑誌の1ページとかで伝えるのはなかなか難しいんですよね。“たまたま360を買って、ユーザーがひとり増えました”というのじゃなくて、きちんとオンラインを意識して、毎月のようにソフトを購入するまでのユーザーっていうのは、友達の家に行って一緒にオンラインに繋いで遊んで、「うわー、面白いな」と思って買った、ってパターンが多いんですよね。オンラインで遊んだ体験と、すでに友達がオンラインにいるっていうのがすごく強力なプッシュになるようです。

 例えばオンラインプレイを体験するだけだったら、ネットカフェとかに360を置いてもらえばいいんですけど、それだけだとオンラインでほかの人と対戦できました、っていう事だけで、なかなか本体は買ってくれないと思います。でも、その対戦相手に友達がいるっていうのが分かれば、すごく後押しになりますね。

編集部 隣にいるようにオンラインでの協力プレイができる、というのも大きいですよね。

巽氏 その感覚をうまく伝えられれば……って感じなんですよね。ユーザーも分かってると思うんですよ。“やればわかるのに”って思っているんですけど、みんな「じゃあどう伝えればいいのか」ってなっちゃうんですよね。

 みんな感じているところは同じで、伝えたいのは「友達の家に行って遊ぶように、自分の家で一緒に遊べる」というところ。そして、ひとりで遊んでいても、実績を見てもらって「その実績すごいね」って言われると楽しい、って感覚ですよね。

 Xbox LIVE自体、もともと対戦する文化というよりも、アメリカのLANパーティーがベースなんですよね。誰かの家やスペースに、お互いパソコンとディスプレーを持ち寄って対戦して、終わったあとにお互いの画面を覗き込んで、「それを倒したのか、すごいな」とか、そういう雰囲気がベースにあるんですよ。

 そういうコミュニケーションのツールとしては、本当にいいものになってきているのかな、と。

編集部 認知度がまだ低いこともあって、買うまでが敷居の高いハードだと思います。ゲームが好きで、交流できる友達がいて、ってことになると、とたんにパーッと広がると思うんですが。

巽氏 本体を買ってソフトも買って、Xbox LIVEでオンラインプレイするためのアカウントも買うとなると、どうしても5万円くらいになっちゃいますからね。今のこのご時世では、5万の買い物をするときに「それが一番の趣味なのか」、「それがあると、どれだけ自分の生活が変わるのか」ってところを考えますよね。そのあたりがクリアにならないと、最初に5万を投資する、ってのはなかなかできないのかな、と。

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