業界と外の人間の認識は違う
このエントリーに対する、伊藤社長の言い分が21日の昼ごろに再びブログに掲載された。
まず「独占配信」という部分に関しては、2007年11月26日のプレスリリースで、クリプトンが同意していないにもかかわらず「独占配信」の文言が並んでおり、クレームを入れたと書いている。
さらに伊藤社長は「業界」とその外側にいる人間の常識のズレに関しても指摘している。
「口頭の承諾で受け契約は後で、という業界のルールが、一般の方も多いクリエイターの意識とはズレがあるということをご認識いただき、今後は弊社側できちんと書面での確約が取れてから配信に移すということを守っていただきたくお願いします」
また、JASRAC信託に関しても当初から、そのつもりはなかったという。仲介業者との間でも「楽曲の管理はするとは言ったが、JASRAC登録するとは言っていない」ことを、21日の朝に再度確認したと書いている。しかし、ドワンゴ側の認識は「業界で管理と言えばJASRAC登録を指すのは当たり前」で、そのあたりの齟齬があったと伊藤社長は書く。
波乱万丈な人生を進む初音ミク
今回の問題は、ユーザーの間で自発的に発生したコンテンツを利用して、企業が利益を上げるモデルの難しさを浮き彫りにした形だ。騒動の外から経緯を見ている筆者から見ると、本来尊重されるべき、クリエイターとそれを楽しむコンテンツの受け手との関係とはまったく別のところで話が進んでいるような気がしてならない。これも、著作権やいままでの業界の常識が、ネットの現状と合った形になっていないことの表れだろう。
それにしても、ネットの騒ぎは初音ミク周辺で起こりやすい。それだけ注目度が高いということなのか、そもそもそういう宿命を背負わされているのか。占い師の判断も聞いてみたいところだ。