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柴田文彦の“GUIの基礎と実践” 第3回

柴田文彦の“GUIの基礎と実践”

Dockとタスクバー

2007年12月21日 01時00分更新

文● 柴田文彦

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似ているようでまったく異なるDockとタスクバーの機能

 今回取り上げるDockとタスクバーは、MacとWindowsのデスクトップ上の同じような場所に配置され、似たような機能を備えていると思われがちだ。しかしその機能や使い勝手はかなり異なっている。

 Dockの最も重要な機能は、登録してあるアプリケーションソフトを起動する「ランチャー」である。しかし登録していないソフトでも、起動すれば一時的にDock上に現れるなど、ソフトの切り替え機能も兼ねている。さらに、ソフトが開いたドキュメントのウィンドウを最小化したものも自動的に格納されたり、ファイルやフォルダーを登録しておくことができるなど機能は雑多だ。厳密に考えるとあまり論理的な構成とはなっていないが、実用的な機能を寄せ集めたものと考えれば納得できる。

 Windowsでは、「スタート」メニューがメインのランチャーだが、使用頻度の高いソフトを登録して素早くアクセスするために、「クイック起動バー」も用意されている。自由にソフトのアイコンを登録できるが、通常は3つのアイコンが見えているだけで、残りはメニューから選択する。操作手順が多くなり本末転倒の感も免れない。

 タスクバーの主要な機能はウィンドウへのポインターを提供すること。最小化したウィンドウはもちろん、開いてもタスクバーから消えない点がMacとは最も異なる。

 さまざまな設定に素早くアクセスする機能は、Macではメニューバーの右端に、Windowsではタスクバーの右端に配置される点も似て非なる特徴を象徴している。

よく使うソフトの置き場所として

Mac vs Win

【Mac OS X Tiger】Dockは、よく使うソフトを素早く起動するためのエイリアスの置き場のようなもの。ただし、Dockに登録されていないソフトでも、起動すれば一時的にDockに入るなど、多様な機能を備える

Mac vs Win

【Windows Vista】よく使うソフトを素早く起動するという機能は、Windowsでは「スタート」メニューのすぐ右にある「クイック起動バー」が担っている。もちろんカスタマイズも可能だ


起動しているソフトと起動していないソフト

Mac vs Win

【Mac OS X Tiger】Dockでは、起動している/していないソフトが見分けにくい。前者には小さな黒い三角マークが添えられるだけ。ただし、起動していようといまいとクリックすればそのソフトが使えるようになるという点は変わらない

Mac vs Win

【Windows Vista】タスクバーには、起動しているソフトがウィンドウ単位で登録される。ソフトの種類や数に関わりなく、開いたウィンドウに、すべてアクセス可能という明解なルールがある


ソフトとドキュメントの区別

Mac vs Win

【Mac OS X Tiger】Dockはソフトだけでなく、ソフトが開いたウィンドウを最小化したものが格納され、ファイルやフォルダーのエイリアスも登録できるという多様性を備える

Mac vs Win

【Windows Vista】タスクバーには、ソフトとドキュメントの区別はない。同じソフトが開いた複数のウィンドウは、それぞれ別々に格納される


状態を表示/素早く設定する工夫

Mac vs Win

【Mac OS X Tiger】Dockからは、「システム環境設定」のウィンドウを開くことはできるものの、個別の設定を直接変更する機能はない。Macでは、メニューバーの右端の領域に各種設定の変更用メニューが並べられている

Mac vs Win

【Windows Vista】タスクバーの右端の領域は「タスクトレー」と呼ばれ、各種の設定変更を可能にするメニューや動作状態を表すアイコンが並んでいる。左右のボタンで機能が異なるなど、操作は複雑だ


(次ページに続く)

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