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古田雄介の“顔の見えるインターネット” 第14回

新しいひらめきを得るために、無職を選んだ男──「phaのニート日記」

2007年12月25日 09時00分更新

文● 古田雄介

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全自動の「圧縮新聞」

 

── なぜ圧縮新聞を作ろうと思ったんですか?

pha 文章いじりとMADニュースの2つがルーツです。もともと文章や言葉遊びは好きだったんですが、ある日、文章をプログラミングしてカットアップすれば、MADニュースみたいになるんじゃないかとひらめきました。ただ、そういうカットアップの手法は昔からありますし、仕組み的に新しいことはないんですよ。

MADニュース いくつか集めたテレビやラジオのニュースから、音声の一部を抜き出して継ぎ足し、支離滅裂な内容をアナウンサーがしゃべっているように聞かせる音声/動画作品。主にアマチュアが制作し、最近では「ニコニコ動画」でも人気を集めている

 

── でも、見せ方が上手いです。カットアップをメインコンテンツとして見せたのが衝撃的だったと思います。

pha 僕も予想外の反応で驚きました。名前を圧縮新聞にしたのが良かったのかもしれません。

 最初は「MADニュースメーカー」といった名前を考えていたんですが、「圧縮して今日のニュースが丸わかりです」みたいなコンセプトをつけたほうが面白いだろうと思って変更したんです。

 

── クリックするたびにクオリティーの高い文章が現れて、これが自動生成かと驚きます。phaさん自身は一切手を加えていないんですよね?

pha はい、すべてロボットが自動で作っています。圧縮新聞はニュース記事を素材にしたのが、面白く見てもらえたカギかなと思います。単に色々な文章をロボットにカットアップさせても、支離滅裂なだけで面白くなりませんから。だけど圧縮新聞のコンセプトなら、MADニュース的な面白さで笑ってもらえる。

 僕は、将来ロボットが色々なブログを書いたら面白いと思っていますが、現在はまだ普通の文章が書けるほど頭がよくないんです。なので、ロボットを使う場合は、いかに頭の悪さを誤魔化すかというのが課題になりますね。

 

── なるほど。ところで、カットアップは偶然の面白さなので、どうしても深みを出すのは難しい。圧縮新聞だけでは膨大なリピーターが確保できないと思いますが、今回得た知名度はどう活かします?

pha そこなんですよね(笑)。そこは結構悩んでいるところです。

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