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デジタル化の破壊的イノベーションとは?

池田信夫が語る、「ムーアの法則」と日本の経済(前編)

2007年12月21日 11時15分更新

文● 松本佳代子、語り●池田信夫

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すべてがIPベースになる世界


 ムーアの法則によって情報処理コストが下がることは、既存の産業を根本的に変えていくことになります。

 コンピューターは価格が下がるから、どんなものにも搭載されると思ったほうがいいでしょう。実際、トヨタの取る特許の約半分は電子技術に関係したものになっています。ほとんどの電気製品にはすでにコンピューターが入っていて、これからがすべてIPベースでつながっていく世界になります。

 それは世界中のどんな端末にも接続できる「危険な世界」かもしれません。

 いずれにしても、今までのビジネスモデルの延長線上で考えていてはいけません。デジタルの怖いところは、あらゆる情報を数値化でき、一度数字になってしまえば伝達するインフラは問わないところです。これまで情報の種類と伝達メディアは一体化されてきました。放送業界、通信業界、家電業界……と業界の縦割りの垣根がしっかりしていたのもインフラと情報がくっついていたからです。

 でも情報がデジタル化され、すべての電気製品がコンピューターになると、こうした垣根はなくなります。

 インターネットでは、ある日突然、YouTubeがテレビ局の作った番組を流すということが起こりえます。放送局は、著作権などの法律で権利を縛ろうとしているけど、これにも限界がある。いまGoogleの「インデックス」を著作権侵害として、問題にする人はいませんよね。

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