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「通信・放送の総合的な法体系に関する研究会」の最終報告書について説明

「通信と放送の融合」の法整備はどうなる?――第8回ブロードバンド特別講演会にて

2007年12月19日 00時20分更新

文● 編集部 橋本 優

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 NPO法人ブロードバンド・アソシエーションは18日、「第8回ブロードバンド特別講演会」を東京・青山の明治記念館で開催した。そのなかで、総務省の担当者が今月9日の発表となった「通信・放送の総合的な法体系に関する研究会」の最終報告書について報告を行なった。

総務省の内藤茂雄氏
総務省の内藤茂雄氏

 登壇したのは総務省の情報通信政策局 通信・放送法制企画室長の内藤茂雄氏。まず、この研究会は「法体系のフレームワークを考えるもの」であることを強調。実際の法整備の具体的な検討は情報通信審議会で行なうという。

情報通信社会の構造変化の図
情報通信社会の構造変化の図

 通信・放送の法整備については、そもそも放送事業者や報道関係者から「何のために見直すのかわからない」という意見が寄せられていた。それに対して研究会は、業界の構造が「縦割り」から「横割り」に変わってきている現状を指摘。例えばテレビ、ラジオ、新聞といった事業は、従来はコンテンツ作成から公衆への具体的な伝達手段までを事業者が一手にまかなっていたが、現在はウェブを使ったコンテンツの2次使用など、業種を超えた統合や連携も生まれてきていることを指摘した。

 さらに、伝達手段の技術革新も進んでいて「後追いで法を整備する」という従来型の政策はそろそろ限界に来ており「同じサービスであれば、どんな技術であれ同じ規制をかけるべきではないか」とし、やはり法の改正は必要であるとの見解になったという。

現状の法律体系
現状の法律体系

 現状の放送や通信に関する法律は、「有線電気通信法」や「電波法」など、主要な9つの法律が存在するが、やはり縦割りの状態にあるという。研究会ではこれを「情報通信法(仮)」として1本化し、その基本理念を「情報の自由な流通」「ユニバーサルサービス」「ネットワークの安全性・信頼性」とした。その中で「コンテンツ」や「伝送インフラ」「プラットフォーム」といった枠組み(説明では「レイヤー」と呼んでいた)を作り、情報通信事業に関して包括的に対応できる法体系にするよう提言している。

現行の縦割り法体系と新しい法体系の比較図
現行の縦割り法体系と新しい法体系の比較図

 なお、既存の放送事業者からは「レイヤーで事業が分割されるのではないか」という危惧の声も聞かれるというが、内藤氏はきっぱりこれを否定。「レイヤーを超えた統合・連携は原則自由」であることを強調した。

コンテンツの法規制の図
コンテンツの法規制の図

 コンテンツの規制に関しては、まずメールなど特定の人同士の通信を「公然性を有しないもの」と定義し、通信の秘密を保障することが大事であるとした。一方、広く一般の人たちに開示するものを「公然性を有するもの」とし、その中で社会的影響力を有するものを「メディアサービス(仮)」と定義。さらに、このメディアサービス(仮)は、社会的影響力が強い「特別メディアサービス(仮)」と、それほど強くない「一般メディアサービス(仮)」に分類される。

 さらに、個人ホームページなど、社会的影響力を及ぼさないものについては「オープンメディアコンテンツ(仮)」と定義。特別メディアサービス(仮)以外は規制緩和を行なう方向であることを強調し、オープンメディアコンテンツ(仮)の「違法な情報」についても「行政が直接関与しない形での対応を促進する枠組みを調整」したいとした。

 ちなみに同氏によると、ラジオ局やケーブルテレビ局などは「規制緩和しなくてもいいから特別メディアにしてほしい」という要望が多いという。無料広告放送においてはブランド価値が重要だからではないかと話すが、その線引きについては「今後の課題」であるとした。

 そのほか、プラットフォーム(1つの事業基盤の上で複数の他の事業者やユーザーが行なうサービスなど)について「ほかのレイヤーから独立した規制として立法化する必要性は大きくはない」としながらも、「ただし新たなボトルネックとして情報の自由な流通を阻害する恐れもある」とした。その例えとして「携帯キャリアーのネットサービスなど、フィルタリングのやり方しだいでは公式サイトしか見られない」といった事例も考えられるとし、「議論はしておく必要がある」と語った。

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