開発担当に聞く新Officeの勝負どころ
Wordでは、何よりファイルの互換性に力を入れたという。前田清寛氏は、「綿密にレイアウトされたドキュメントを崩すことなくMac/Windows間でやり取りできるよう、Word書類を集中的に収集して、バグを登録していきました。この作業は単にバグの発生するファイルを探し出すだけではなく、ちゃんとファイルを解析して、原因を突き止めてから報告するので、そこが厳しいところでした」と話す。
またExcelでは、「資産/財務管理シート」という新しいテンプレートが加わり、Macで資産を管理できるようになっている。スプレッドシートはほとんど無限に近いグリッド数(104万8576 行 × 1万6384 列)まで拡張可能。これは、Windows版の「Office 2007」との互換性を保つうえでも必須のポイントだったとのことだ。
PowerPointは、スライドをiPhoto経由でiPodへ転送してスライドショーができる注目機能を備え、Macのテクノロジーをうまく利用したソフトに仕上がっている。なんでも、この機能が「ノートパソコンを広げるほどでもない喫茶店での打ち合わせに便利」なのだとか。
Entourageには、アップルのウェブキットを使ったスケジュール管理ソフト「MyDay」の追加、Spotlightエンジンを使った詳細な検索、MacのFinderなどのツールバーと同様のカスタマイズ性など、別のソフトになったと言えるほど大幅な刷新が施されている。
本ソフトを担当した休場晶子氏は、「UIが見やすく、よりMacライクになっていると思います。中でも、使い勝手がよく個人的にも気に入っている機能が、『お気に入りバー』です。Safariの『ブックマークバー』と同じ感覚で使え、自分のよく使うEntourageの項目を登録しておけば、ワンクリックで即座に表示ができる。フォルダーやスケジュール関係のメール、予定表、連絡先などのアイテムをドラッグ&ドロップ操作で登録/登録解除すると便利ですよ」 と話す。
Entourageではほかにも、拡大表示や地図テキストから地図を表示するといった従来からの機能も強化されている。
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