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キャリア・ピックアップ 第25回

涙のイタバサミ人間が生きぬくには~社内評価アップ術・後編~

2007年12月13日 11時25分更新

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■自分と部下の危機的ケース2■

部下とのコミュニケーションをうまくとり、プロジェクトを円滑に進めていきたいが、どうも部下とのホウレンソウ(報告・連絡・相談)がうまくいかない……。

「部下とのコミュニケーションがうまく取れないという悩みはよく聞きます。前編でお話しましたが、このケースは多くはホウレンソウのやり方に問題があるのではなく、コミュニケーションの機会を取れていないことが問題になっている場合が非常に多いです。これについては聞き方研修や話し方セミナーなどを受講しても解決はしません。『いつ』『どこで』『何について』話し合うかを事前に部下と決めておくことが必要です」

 この場合、コミュニケーションの機会を設けるというのは、「会議を開く」ということではなく、ルールとしてきちん話し合う時間と空間を用意するということ。たとえば週1回30分であってもよいのではと熊原さんは説明する。また、話し合うことを事前に決めておくことで、部下も話をしやすくなり、上司も聞き手に専念することができる。これを続けていくことで、徐々にホウレンソウができるようになるというわけだ。

「部下がクライアント企業に出向しているなど、自分の目で働きを確認できない状況も多いかと思います。この場合は、部下の出向先の近くに行ったときに寄ってみるとか、1本電話入れてみるなど、自らが機会作りに動くことが必要です。また、部下からの報告書や日誌に対しては、必ず確認して、コメントを返すようにすることが大切。当たり前のことですが、報告だけを受けてレスポンスを返さない上司は意外と多いように感じます」

 上司のレスポンスを受けることで、部下は「自分のことを気にしてくれている。今後もしっかりとホウレンソウしよう」という心理になれるのだ。逆にレスポンスがなければ、「上司は見てくれていない」と感じ、ホウレンソウがなくなっていくと熊原さんは分析する。

愛情は伝わらなければ意味がない。 ときには、ちょっぴり“演出”も

 ここまでで述べてきたように、中間管理職が社内評価を高めるには「部下をどれだけ気にかけられるか」が重要となる。

「『愛情の反対は無関心である』と言われますが、部下に対して無関心な上司は意外に多いと思います。これでは部下との信頼関係は築けるわけがありません。中間管理職の人は、ここで今一度、部下を評価する立場にいることを認識してみて下さい。あなたの評価次第で、部下の人生や部下とその家族の人生も左右されるのです。このことを理解していれば、部下を大事にすることの大切さが分かることでしょう」

 また熊原さんいわく、ときには部下とのコミュニケーションのための多少の“演出”も必要だと加えた。

「たとえば残業している部下に対して労いのメールをさりげなく送るなど、気にかけていることを演出するくらいの表現力は必要です(笑)。社内評価に対する悩みは、今回紹介した対策でおおむね改善に向かうことができると思います。ただし、社内評価の問題が会社の制度上にあることもありますので、所属する会社の評価制度を知っておくことをお勧めします。また管理職の人は部下から評価制度について尋ねられたときに、答えられるようにしておくべきですね。それは評価する立場としての『責任』と言ってもいいでしょう」

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