このページの本文へ

SaaS・ASP時代の企業ネットワークの条件――「統合VPN」とのASP接続例①外食産業POS

「1社多業態の店舗展開」を志向する外食産業向けにPOSの保守やバックオフィス構築を効率化

2008年01月20日 23時30分更新

文● 文●アスキービジネス編集部

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

VPNとASPを接続する「統合VPN」アプリケーション接続サービスは、幅広い業種・業務に最適な通信プラットフォームとなる可能性を秘めている。具体的にどのようなASPがすでに提供され効果を生んでいるのか? このサービスによってセキュアなSaaS・ASPを提供している事業者の事例をレポートする。

本部トータルパッケージ
「FoodFrontia Pro」(NECインフロンティア)

NTTコム SaaSムック転載

【問い合わせ先】
●TEL03-5282-5847(流通営業事業部POS営業推進部)
●URL http://www.necinfrontia.co.jp/

 NECインフロンティア株式会社はPOSシステムをはじめとして、さまざまな分野向けの業務端末を開発・製造・販売しているメーカーだ。特に外食産業向けのPOSでは国内トップシェアを誇っており、2007年7月には外食産業の本部向けシステム「FoodFrontia Pro(フードフロンティアプロ)」をASPとしてリリースした。

 同社がASPの採用を決定した背景には、外食産業が1社多業態の店舗展開を志向する傾向を強め、従来のような案件ごとの個別開発ではコスト負担が大きくなってしまうという要因があった。

 そこで同社はアプリケーションをどの顧客企業にもフィットするように汎用化し、迅速なカスタマイズ提供が可能なSaaS・ASPモデルでの提供を決断。店舗のPOSシステムとASPセンター間をNTTコミュニケーションズの「統合VPN」アプリケーション接続サービスによりVPNで接続する形態をとった。これは「時代に合った合理的な解決方法」(流通営業事業部POS営業推進部マネージャー・吉沢俊行氏)だと語る。

 現状では外食産業の多くが決済端末等で必要なISDN回線と業務上必要なブロードバンドネットワークを併用しているが、同社は将来的には光回線に統合されることを見込み、かつ複数のアプリケーション利用が可能となる点や、回線利用パフォーマンスを発揮できる費用対効果の高い閉域ネットワークであるVPN環境という点も評価し、上記のような取り組みを選択した。

 この選択により、固定IPを利用して接続することになるため、顧客側でルーターを個別設定する必要もなくなり、窓口の一本化ということもあいまって、顧客側の保守の手間までも軽減している。

ユーザー企業はサーバー管理等の手間なくASPを通して経営管理システムを利用できる(画像クリックで拡大)


カテゴリートップへ