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定番・個人向けフォトレタッチソフト最新版の雌雄を決する

【対決レビュー】Photoshop Elements 6.0 vs. Paint Shop Pro Photo X2

2007年12月18日 16時00分更新

文● 伊藤裕也

 皆さんは、デジタルカメラで撮った写真はどのようにされているだろうか? 即座に出力したいならカメラ(メモリーカード)をそのままDPEショップに持ち込む手もあるが、ASCII.jp読者の多くは、まずパソコンに転送するという方が多いことだろう。そんなユーザーが注目しているであろう、個人向けフォトレタッチソフトの最新版がこの秋、相次いで発売された。

Adobe Photoshop Elements 6のパッケージCorel Paint Shop Pro Photo X2のパッケージ
「Adobe Photoshop Elements 6」のパッケージ「Corel Paint Shop Pro Photo X2」のパッケージ

 アドビ システムズ(株)の「Adobe Photoshop Elements」シリーズと、コーレル(株)の「Corel Paint Shop Pro Photo」シリーズである。今回は両ソフトの主な新機能を紹介しながら、写真の管理やゴミ除去、切り抜きや合成などのレタッチ機能などについて、どのような機能や使い勝手に違いがあるかを比較・検証していく。



初心者向けインターフェースを備え、
画像合成に関する機能を強化した
「Adobe Photoshop Elements 6.0」


Adobe Photoshop Elements 6

 「Adobe Photoshop Elements」は、画像ファイルの管理から編集・加工、さらには出力と、多様な用途に対応するコンシューマー向けデジタルイメージングソフトだ。コンシューマー向けとの位置づけながら、プロユースの「Adobe Photoshop CS」と同様にレイヤー構造をサポートし、数々の強力な画像編集ツールを搭載する。そのため、デジタルイメージ編集の入門ソフトとして、また個人で写真の加工・補正や写真をベースにしたイラストの作成を楽しむ人、さらに業務で必要な写真加工を行うビジネスユーザーまで、幅広く支持されているソフトだ。

スタンダード編集モード
Adobe Photoshop Elements 6におけるイメージ編集モードのひとつで、Photoshop Elementsが搭載するすべてのツールを使用できる「スタンダード編集モード」。今回からモード変更のためのボタンやタグが画面右上に集中配置され、モードの確認ならびに変更を行ないやすくなっている

 11月に発売された最新版の「Adobe Photoshop Elements 6」(以下PE6、関連記事1)でまず注目したいのは、ユーザーインターフェースを変更したことだ。具体的には、Adobe Photoshop/Photoshop Elementsの利用経験があり、用意された編集ツールをアイコンやメニューなどから手早く選択して利用したい人向けの「スタンダード(標準)編集モード」と、露出や色合いといったデジタルイメージ(主にデジカメ写真)の調整を手早く行なう「クイック編集モード」、さらに撮影日時や画像に付けたタグ(キーワード)からイメージの管理を行なう「スマートアルバム」という具合に、ユーザーが実行したい内容に応じて複数のユーザーインターフェースを備えている。PE6では、これらのモード/ユーザーインターフェースを切り替えるボタンがウィンドウの右上に集中配置され、必要に応じて素早く切り替えられるようになった。

クイック編集モード
こちらは素早い写真の補正処理を実現する「クイック編集モード」。ウィンドウ右側に明るさやカラー、シャープの修正、さらには赤目の修正といった項目があり、そこからスライダーを左右に動かすなどの簡単な操作で処理を実行できる。色の調整程度であればこのモードが便利

 編集モードについても、従来(PE5)からあった「標準・クイック」の2つに加えて、オンラインヘルプ機能「ガイド」を用いた初心者向けの編集モードを新たに搭載した。ガイドモードではウィンドウ右側に写真の補正・編集で一般的に使われる機能が一覧で並び、ユーザーがいずれかを選択すると、その機能に関連するツールが自動的に表示される。Photoshopや画像編集ソフトのインターフェースに不慣れな人には、特に使いやすいモードと言えよう。

ガイド付属モード
今回から新たに導入された「ガイド付属モード」。ウィンドウ右側に主な写真の処理を記したガイドが表示され、その項目をクリックすることでそれに対応するツールが出現する
ガイド付属モードで写真を切り抜きガイド付属モードで写真を回転または角度補正
左はガイド付属モードで「写真を切り抜き」、右は「写真を回転または角度補正」を選択したところ。選択した項目に応じて、このようにツールが切り替わる

 編集機能については、複数イメージの合成機能が大幅に強化された。複数イメージからのパノラマイメージ作成機能は以前からあったのだが、今回はそれに加えて同じ構図で何枚か連続で撮影した集合写真があれば、それぞれの人物が笑顔で写った構図のみを組み合わせて、すべての人が笑顔の写真を合成する――といった処理も実現できるようになった。そのほかのツールについても、画像の中から希望する人や物のみを切り抜ける「クイック選択ツール」が、対象をマウスで1クリックするだけで自動的に輪郭部分を算出して、切り抜き範囲を指定できるように強化された。

 また、写真の管理機能ではあらかじめ指定した条件に一致するファイルを自動的にグループ化して一覧表示する「スマートアルバム」と呼ばれる新機能を導入するなど、さまざまな部分で強化が行なわれている。このうち、イメージ合成などの機能については次ページからのケース別機能比較で詳しく触れることにしたい。



ブラケット撮影と相性がいい新ツールHDR写真合成を搭載
「Corel Paint Shop Pro Photo X2」


Corel Paint Shop Pro Photo X2

 「Corel Paint Shop Pro Photo」は、低価格ながらも充実した画像編集機能を搭載していたことから人気を博した「Paint Shop Pro」を前身とする統合型デジタルイメージングソフトだ。名称に“Photo”が追加されたことからも分かるように、デジタルカメラで撮影した写真データの管理・補正処理を強く意識した機能強化が図られているのが特徴だ。

 10月に発売された「Paint Shop Pro Photo X2」(以下PSPP12、関連記事2)で特に注目したいポイントは新機能「エクスプレスラボ」だ。エクスプレスラボは読み込んだイメージに対して傾きの補正やトリミング、露出・色合いの調整といった写真の補正で一般的に行なう処理を、少ないステップ数で実行できる新しいユーザーインターフェースである。早い話が、PSPP12版“クイック編集モード”と言える仕組みだ。この機能のポイントとしては、複数イメージの一括読み込みをサポートし、読み込んだイメージをWindowsフォトギャラリーでプレビューを行なうようにモードを切り替えつつ、必要な補正処理を加えられるという点だ。特に大量のファイルを手早く規定の解像度/ファイルサイズに編集したいようなケースで重宝するだろう。

ウィンドウ右のラーニングセンターと下部のオーガナイザ
Paint Shop Pro Photo X2のメインウィンドウ。ウィンドウ左側にあるのは、行ないたい処理から目的のツールを呼び出せる「ラーニングセンター」。ウィンドウ下部にあるのはイメージ管理を行う「オーガナイザ」だ。これらのパレットは必要に応じて表示・非表示を切り替えできる

 また、イメージの編集機能では今回から「ハイダイナミックレンジ(HDR)写真結合」を搭載した。この機能はイメージ合成の一種で、同一の被写体を異なる露出設定で撮影した複数のイメージから、最適化した1枚のイメージを作り出せるというもの。例えばある場所を露出オーバーや露出アンダーの状態で撮影した複数のイメージがある場合に、輝度や色情報の良好な部分のみを抽出して合成し、1枚のイメージを作り上げる。要するに複数イメージからのいいとこ取りができる機能だ。シャッターを切る際に露出設定を変えながら連続撮影できる「ブラケット撮影」機能を搭載したデジタルカメラとこのHDR写真合成を組み合わせれば、明暗の差が大きくて、コンパクトデジカメやカメラ初心者にはうまく撮りづらいような条件でも、明るい場所から暗い場所まで情報を失うことなく表現した写真を生成できる。特に風景や建物の撮影などでは大変便利な機能だ。

エクスプレスラボ
写真の補正処理を素早く実行できるユーザーインターフェースとして、今回から新たに搭載された「エクスプレスラボ」。ウィンドウ下部にはツールを選択するためのボタンとエクスプレスラボに読み込んだイメージのサムネイルが、またウィンドウ右側には選択したツールが表示される
エクスプレスラボによるトリミング
エクスプレスラボによるトリミング。上の画面と比較して、ウィンドウ右側のツールが切り抜きツールに変わったことがお分かりいただけるだろう

 このほかにも、今回のバージョンからレイヤーに追加したイメージに対して“ドロップシャドウ”や“エンボス”、“縁取り”、“アウターグロウ”など6種類の特殊効果を追加できる「レイヤースタイル」のサポート、イメージに対する「透かし」の設定機能を追加、さらには人物のレタッチ処理に特化した「メークオーバーツール」の拡張など、イメージの編集機能が強化されている。

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