このページの本文へ

松村太郎の「ケータイが語る、ミクロな魅力」 第7回

ドルビーがケータイにやってきた「SH905i」

2007年11月30日 09時00分更新

文● 松村太郎/慶應義塾大学SFC研究所 上席所員

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

映画館での「ワクワク感」をケータイでも演出


 ケータイで音を楽しむ世界観ができ上がっているのだったら、ケータイの「音」のクオリティーに、そろそろメスが入ってもいいのではないだろうか。

 そんな問いにドコモがぶつけてきた答えが、「ドルビーモバイル」を初めて搭載した「SH905i」だ。ドルビーモバイルは、映画でおなじみの米ドルビーラボラトリーズ社が手掛けたケータイ向けエンジンになる。

SH905i

SH905i。さえ渡るブルーとボディーのテクスチャー、両サイドのメタルっぽい素材感は、高級感漂うたたずまいだ

 ドルビーサラウンドの実力は、映画館で映画が始まる前に流れる予告編で体感できる。

 映画館では、まず映画の予告編が始まり、途中で「Dolby」や「THX」などのロゴがサラウンドとともに表示される。その後にまた予告編が流れ始めるのだが、ロゴの前と後で音の出方が違うということにお気付きだろうか。

 ロゴの後の予告編では、台詞は正面から聞こえるし、飛行機が通り過ぎると自分の真上を通っているような臨場感が出る。何より低音の迫力が違う。あのロゴが表示されて、音の出方ががらりと変わると、「いよいよ映画が始まるぞ」とさらに気持ちが盛り上がってくる。

 SH905iでもワンセグを起動すると、 金色のドルビーモバイルの文字が浮かび上がる。まさに映画館と同じように、音へのワクワク感を期待させてくれる演出がにくい。

ロゴ

ワンセグ起動時に表示されるドルビーモバイルのロゴ。黒い背景に浮かぶ金色が神々しい

ドルビーモバイル設定

ドルビーモバイルの設定画面。特に「ナチュラルベース」をオンにしたときの迫力の違いには驚かされる



ワンセグを気持ちよく楽しめる「ジャンル連動」


 そしてワンセグの視聴時には、「ジャンル連動」という優れモノの機能が使える。

 ドルビーモバイルは、「ワンセグ」、「ミュージック」(着うたフル、WMA)、「ミュージック&ビデオチャネル」の3つのモードで利用可能だ。そしてワンセグ視聴の際は、「ノーマル」「ニュース」「スポーツ」「ドラマ」「バラエティ」「ミュージック」「映画」という6つのジャンルに合わせたドルビーモバイルのサウンド効果が選べる。

 ジャンル連動は、番組の内容を判別して、最適なサウンド効果を自動で適用するという機能だ。

 デジタル放送になってから、テレビ番組では番組名だけでなく、番組説明やジャンルなどの情報が提供されるようになった。ワンセグも例外ではない。野球中継ならスポーツ、クイズ番組ならバラエティというジャンルが分かる。ジャンル連動は、この番組情報を元に、サウンド効果を選んでいるのだ。

 ニュースならアナウンサーの声が前に出てくるし、スポーツでは臨場感が豊かになる。ミュージックでは伸びやかなボーカルを存分に楽しめるのだ。かなり本格的に「音」というモノを楽しむことができるといってもいい。これを自動的に調整してくれるのだから、いつでも何も気にせずに「いい音」でのケータイライフが始まるのだ。


(次ページに続く)

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン