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最新パーツ性能チェック 第52回

【最新パーツ性能チェックVol.52】

AMDのネイティブクアッドコア「Phenom」がついにデビュー

2007年11月22日 15時21分更新

文● 宇野 貴教

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 AMDがデスクトップ向けCPUの新ブランド「Phenom」プロセッサシリーズを発表した(関連記事)。今回はこの「Phenom」を借用できたので、一通りのベンチマークテストを行ないそのパフォーマンスを見ていくことにする。検証するのは65nmプロセスのクアッドコアCPU「AMD Phenom 9600」(クロック2.3GHz)。1000個ロット時の価格は283ドル。パーツショップでの店頭価格は3万円台半ばと予想され、メインストリームクラスに位置する製品となる。

デスクトップ向けCPUの新ブランド「Phenom」プロセッサシリーズのメインストリームクラスに位置する「Phenom 9600」

既存モデルとの違いは?

 AMDのクアッドコアCPUは、サーバ&ワークステーション向けのOpteronブランドでは存在したが、デスクトップ向けCPUブランドとしてはこのPhenomが初めてであり、ようやくAMDのインテルのCore 2 Quad/Extremeシリーズの対抗馬が登場したことになる。インテルのクアッドコアCPUはデュアルコアのダイを2個搭載することで実現しているのだが、Phenomは4つのコアが1つのダイに収まる“真のクアッドコア”になっているのが特長だ。AMDは“Are you ネイティブ?”のキャッチコピーとともに共有キャッシュやメモリ、I/Oなどで優位とアピールしている。
 Athlon64シリーズからの変更点は、コア数がクアッド(=4個)になっただけではなく、新たに共有3次キャッシュの搭載、128bit浮動小数点ユニット(従来は64bit)を採用、内蔵メモリコントローラがDDR2-1066をサポート、CPUとチップセットを結ぶバス「HyperTransport」がバージョン3.0になり動作クロック3.6GHzへ引き上げられたなど多岐に渡る。長く続いたK8ベースコアから生まれ変わった、自作ユーザーの期待の高い新CPUである。

「AMD Phenom 9600」のステータスを「CPU-Z」で確認した。動作電圧は1.25V。3次キャッシュの欄が表示されるのが新鮮だ。キャッシュは1次にデータ、実行それぞれ64KB、2次に512KBがコアごとに、3次キャッシュは全コア共有で2MBが搭載されている

 「Phenom 9600」の基本スペックはクロック2.3GHz、電圧1.25V、HyperTransportのバスクロック3600MHzでこれは発表通りだったが、今回実際に動作させたことでCnQ有効時の動作クロック1.15GHz、伝差電圧1.05Vなども判明した。CnQ有効時の電圧は、省電力版Athlon X2 BEシリーズの1.1Vよりも低く設定されている。

CnQ有効時

CnQ有効時のステータス。電圧と動作クロックが下がっているのが確認できる。省電力版Athlon X2 BEシリーズの1.1Vよりも低く設定されている

 それでは次ページ以降のベンチマークテストで、その秘めたるパフォーマンスを見ていこう。

テスト環境
CPU:AMD「AMD Phenom 9600」(2.3GHz)
マザーボード:MSI「K9A2 Platinum」
メモリ:DDR2-667(PC2-5300) 1GB×2
ビデオカード:Galaxy GeForce 7600GS
HDD:Seagate「ST3160812AS」(160GB SerialATA)
光学ドライブ:なし
電源:ZUMAX ZU-400W
OS:「Windows XP Professional SP2」

(次ページへ続く)

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