テレパソブームの火付け役「XCode」の新製品が満を持して登場!
ViXS、MPEG-4 AVCトランスコードに対応した新しいエンコード/デコードチップを発表
2007年11月13日 21時34分更新
ViXS Systems Japan(株)は13日、MPEG-4 AVCのトランスコード/エンコード/デコードを実現したワンチップSOC(System On Chip)「XCode 3000」(XCode III)シリーズの発表会をカナダ大使館で開催した。
XCode 3000では、MPEG-2、MPEG-4(SP/ASP/AVC)、Windows Media 9、VC-1のトランスコード(ファイル形式の変換)やトランススレート(画質の変換)、エンコード/デコードが可能。さらに2つの処理を同時にこなすことができる。例えば、MPEG-2からMPEG-4 AVCへのリアルタイム変換と、MPEG-4 AVCからMPEG-2へのリアルタイム変換を同時に行なったり、MPEG-2のエンコードを2ストリーム同時に行なったりすることが可能となる。
XCode 3000シリーズは400MHzのデュアルコアCPU(米ARC International社製)を搭載した「XC3290」と、CPUは搭載せずトランスコーダー/エンコーダーに特化した「XC3111」の2製品が用意される。どちらも年明けに量産出荷開始となり、搭載製品は2008年前半ごろから登場予定。
XC3290はイーサネット、SATA、USB 2.0コントローラーを各2つずつ内蔵。HDDやUSBストレージからの読み込みや書き出しにも対応する。さらに家電ネットワーク規格の「DLNA」のサーバースタックを搭載しており、ほかのDLNAクライアント機器からLANを介して映像を呼び出すこともできる。このほか、グラフィックスコントローラーも搭載する。XC3111にはこれらは搭載されない。
さらに、XC3290とXC3111はともにセキュアープロセッサーを内蔵しており、世界中のコンテンツプロテクション方式をサポート。日本の「B-CAS」にも準拠している。また、「Windows Media Digital Rights Management」など、各種DRM(著作権管理技術)にも対応している。
会場にはリファレンスボードが用意され、MPEG-2(ビットレート19Mbps)の動画をMPEG-4 AVC(ビットレート10M~4Mbps)に変換した動画の表示や、SATA接続のHDDに保存されているMPEG-2ファイルにアクセスし、LANケーブルで接続されたDLNAクライアントに映像を送信する、といったデモが実施された。
「XCode II」の市場を踏襲できるか?
ViXS Systems Japanは、ビデオトランスコーダーチップなどのファブレス半導体メーカーであるカナダのViXS Systems(ヴィクシス システムズ)社の日本法人。2005年ごろにテレビ録画パソコンが人気だった頃、「XCode II」というMPEGエンコーダーチップをリリースして、多くのパソコンメーカーや周辺機器メーカーに採用された。また、今年3月には、ハイビジョン映像を2分の1サイズに圧縮できる「XCodeHD」と呼ばれるチップが搭載された、日立製作所のプラズマテレビ「Wooo」(関連記事)も発表されている。
ViXS Systemsの代表取締役社長兼CEOのサリー・ダブ(Sally Daub)氏は、現在もNECや富士通、ソニー、バッファローなど、多くのメーカーがViXSの製品を採用しているとアピールした。