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【動画で見る】Adobe MAX Japan 2007スニークピークスの注目技術はこれだっ!!

2007年11月06日 14時44分更新

文● 編集部 佐久間康仁

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 今月1日と2日に東京・台場のホテル日航東京で開催された、RIA(リッチインターネットアプリケーション)開発者向けイベント「Adobe MAX Japan 2007」。既報の通り初日の基調講演には、(株)エヌ・ティ・ティ・ドコモから執行役員マルチメディアサービス部長の夏野 剛氏が登壇したものの、あいにく「FOMA 905i/705i」シリーズの発表直前だった(1日午後にNTTドコモの発表会が行なわれた)こともあって、特に目玉になるような発言はなかった(FOMA 905iシリーズにはFlash Lite 3が搭載され、そのストリーミング動画配信機能を活用した新サービス「Music&Videoチャネル」もリリースされたわけだが)。

 ここでは、初日夜に行なわれた「Sneak Peeks」(スニークピークス)の模様を動画を交えてお届けする。スニークピークスとは「こっそりお見せしちゃう」といった意味で、同社が開発中の技術で将来必ず製品化される(あるいは製品に搭載される)ことは保証できないながらも、「これは受けるんじゃないか!?」という自信のあるものをデモする「Adobe MAX」(前Macromedia MAX時代から)の名物イベントだ。



Flash Player次期メジャーバージョンアップ版!?
コードネーム「Astro」


 Flash Player 9では、動画のアルファブレンディング(透過情報を持つ重ね合わせ)が可能になって表現力が多彩になったが、次期バージョン(Flash Player 10とも噂される)に当たる、コードネーム「Astro」ではレイヤーを傾けたり裏返すといった3D表現が可能になっている。

 言葉で説明してもピンと来ないかもしれないが、掲載した動画のように、例えば動画にパース(傾き)を付けて壁面に投影したような表現や、銀河のような透明感のある3Dオブジェクトの表現が可能となる。しかも、これらはプリレンダリングしたFlash(SWFファイル)をダウンロードさせるのではなく、Flash Playerにスクリプトで命令を出すことでクライアント側で実行(表現)できるのだ。



ニュース番組のような動画プレゼンが可能に!
Visual Communicator


 「Adobe Flex」で開発したアプリケーションの一例として、テキストのスクロールと動画、静止画などを組み合わせた“動画プレゼンテーションツール”「Visual Communicator」が面白おかしく紹介された。いわば、ニュース番組のようにスクリプト(台本)をスクロールさせながら、合間に動画や静止画、リアルタイムのカメラ映像などを挟み込んで、説得力のあるプレゼンを進行させるというもの。

 これも言葉で説明するのは難しいので、動画を再生してみてほしい。画面では英語のみながら、台詞が中央でスクロールアップし、その脇で動画や静止画を挟み込むタイミングが、タイムライン形式で表示されている。

 さらに「クロマキー」(特定の抜き色を使って合成する技術)をその場で実演するために、緑色のシャツを着た参加者を呼んで、見事に合成映像を見せたところで、会場は大いに盛り上がった。単純にスライドをめくるだけの「眠たい」プレゼンは、そろそろ時代遅れになる!? かもしれないと感じさせる内容だった。



静止画のストレッチが破綻なく行なえる!!
Seem Curving(シームカービング)


 スニークピークスのトリを飾った「Seem Curving」(シームカービング)という技術は、夜も更けて多少アルコールも入った来場者の眠気を吹き飛ばす、インパクトのある画像処理技術だ。通常、画像を左右もしくは上下に縮小/拡大する(縦横比率を変えてしまう)と、全体が均一に縮こまって窮屈に見えたり、逆に間延びして見えるもの。しかし、Seem Curvingは映像の中の色分布情報から「変化していい(圧縮・伸張できる)場所」とそうでない部分を自動的に判定し、人物や建物などの主体となるオブジェクトを変化させずに、画像が破綻しないように縦横比率を変えられるというものだ。

 これも、早速動画で確かめてみてほしい。基本的には自動判定で破綻なく変形させられるが、固定したい部分を手動で範囲指定することもできる。この部分に「Adobe Photoshop」の範囲選択ツールを組み合わせれば……などと、夢がふくらむことだろう。

 さらに、同じ原理を用いて、コピースタンプツールなどを使わずに画像の中の不要なオブジェクトを消去することもできるという。PhotoshopやAfterEffectsなどと「とても相性がいい」ツールに思えるのだが、現在はこの技術の開発者を米アドビ システムズが雇い入れたところだという。さてアドビ システムズがこの技術をどう料理するか、今後の動向が楽しみだ。


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