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突撃!隣りの“軍”の晩ご飯!!

「戦闘糧食晩餐会」で世界中のレーションを食べ比べ!(前編)

2007年11月03日 21時00分更新

文● アスキー戦車部長Y

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 総火演航空祭も終わり、ミリオタの夏も去った某月某日、ふと目にとまったイベントがこれ。

は~い、この文字注目~!

「戦闘糧食晩餐会2007 レーションを食べて死んだ人はいない。」

 むむ、レーション、つまり「ミリメシ」ですな。刺激的な文言もなにやら面白そうなイベントではありませんか。ということで、主催の東京キャロルへ連絡を取り、ASCII.jpミリタリー特別取材班として参加することに。さてさて今回はどんな取材になることやら……

「戦闘糧食晩餐会2007」

東京キャロル主催の戦闘糧食晩餐会(レーションディナーショー)

そもそも戦闘糧食とかレーションってナニ?

 戦闘糧食とは、米軍ではMRE(Meal, Ready-to-Eat)、あるいはレーションなどと呼ばれている。ひと言で言えば、兵士が作戦行動中に食べる食糧のことだ。例えば自衛隊だと、基地や駐屯地、護衛艦などにはきちんとした食堂があり、調理した温かい食事を取ることが出来る。しかし、数日間以上にも渡る野外での長期作戦行動などの場合は、全行程で弁当持参という訳にもいかず、どのような状況でも持ち運びやすく簡便かつ衛生的に、しかも温かく飽きの来ないバリエーションのある食事を取れるようなシステムが必要となる。長期作戦行動中で娯楽と言えば食べることだけ、そんな状況でも兵士を満足させるような食事を提供するのが、この戦闘糧食なのだ。通常は、一食分、あるいは一日分がパッケージングされていることが多い。

各国のレーション

各国のレーション

 なお、摂取カロリーは各国によってかなり異なっているようだ。自衛隊では1日1800kcal、米軍のMREで3600kcal~3900kcal、なかにはノルウェー軍のように寒冷地用として7500kcalというものもあるそうだ。普通の日本人がこんなの食べたら3日くらい何も食べなくて良いかもしれないし、その場でお腹をこわすかもしれない。

開発の歴史

 世界各国で用いられているレーションの元祖は米軍が作ったと言われている。すでに第一次世界大戦の時から様々なレーションが開発され、前線の兵士に供給されてきた。さすが兵士を飢えさせないことに関しては定評のある米軍、というところだ。
 現在では、先進国の軍隊を中心に各国の国情に合わせたものが開発され、用いられている。ちなみに宗教の禁忌が考慮されているレーションもあり、例えば米軍ではユダヤ教とイスラム教対応レーション、ベジタリアン対応レーションも存在している。なお、自衛隊では1965年採用の「とり飯」を皮切りに、現在では22種類の戦闘糧食が使用されている。

豚肉抜きのフランス軍レーション

こちらはフランス軍のレーション。パッケージに「WITHOUT PORK」(豚肉抜き)と書いてある。宗教の禁忌などが考慮されているのだ

入手方法

 これらレーションや戦闘糧食の入手方法だが、基本的には難しいと言えよう。例えば日本国内には自衛隊と米軍が存在している訳だが、どちらも直接の入手は不可能だ。基地祭などで訪れても、売店等では販売していない。自衛隊の戦闘糧食の場合は、知り合いの自衛官から配給されたものを個人的にお土産に貰う、もしくは何かのイベントでの配布物として入手、というような経路しかない。まあ、そういう意味で戦闘糧食とはかなりのレアモノということになる。
 ただし自衛隊の戦闘糧食の場合は、製造会社がパッケージを変えて民生品として販売しているものもあるので、パッケージにさえこだわらなければ、同じ味を楽しむことは決して不可能ではない。自衛隊の戦闘糧食に関しては入手のし易さや賞味期限を考えると、同規格の民生品で楽しむのが無難かもしれない。

自衛隊の戦闘糧食

自衛隊の戦闘糧食「とり飯」と「しいたけ飯」。国内の民間企業が製造している

 一方、米軍のレーションも入手困難なのは同様な状況で、決して潤沢に出回っているとは言い難い。ましてや各国軍のレーションは、基本的にお土産のお裾分けレベルでしか入手できないようで、今回の晩餐会もアメリカ在住のカメ一等兵氏から各国軍のレーションを提供して頂いたとのこと。ちなみに今回の主催者、軍装品店「東京キャロル」では、米軍を中心とした外国軍のレーションを常時販売している。興味のある方は一度覗いてみるといいだろう。同店については記事の最後(後編)で詳しく触れているので、そちらも参考にしてほしい。

MRE

アメリカ軍のレーション(MRE)。メニューはなんと24種類もある

(次ページへ続く)

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