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ノウハウの共有で営業を強化

業務の見える化を実現する『SFA』

2007年10月26日 17時53分更新

文● アスキービジネス編集部

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営業部門の生産性向上を妨げる要因は、本質的にノウハウを共有しにくく、またプロセスも見えにくい業務だからだろう。しかし情報化によって、生産性の向上は達成可能だ。営業部門の情報化を支援するアプリケーションは数多くあるが、その使いやすさと導入作業の手軽さ、コストの安さでSaaS型SFAアプリケーションが期待を集めている。


営業活動の「情報化」は「自動化」「省力化」も実現する


 営業活動の全体状況をリアルタイムで捉え、業務を最適化するための仕組みとして注目されているのがSFA(Sales Force Automation)アプリケーションだ。個々の営業活動をデータベース化することで、見えにくかった途中経過の掌握や、指示、集計、分析などの作業が容易になり、営業プロセスの大幅な自動化までも実現できる。

 こういったSFAには従来問題がなかったわけではない。それを一言で言えば「現場が使いにくい」ということに尽きる。使いにくいという理由で営業活動の情報が入力されなければ、せっかくのデータベースもまるで効力を発揮できず、ただの「置物」に変わり果ててしまう。

 この問題は専用ソフトウェアのUI(ユーザーインターフェース)の仕様ばかりが原因ではなく、業界別、企業別に異なる営業プロセスの違いにも起因している。自社のワークフローにフィットするように仕様のカスタマイズをベンダーに要求すれば、それは当然導入コストに跳ね返ってしまう。 幸い、SaaS型のSFA登場によって、このような問題は今や払拭されつつある。ユーザーインターフェースは多くのユーザーにおなじみのWebブラウザがベースになっており、複雑な操作は一切必要ない。外出先にインターネット接続可能な環境さえあれば、専用ソフトウェアのインストールされたPCなしで利用できるのも大きなメリットだ。

 また、「リード管理」「コンタクト管理」など、営業プロセスの論理的な「区切り」に沿ったフォーマットで営業活動が蓄積されていくため、営業活動の進行もスムーズになる。アポイントや訪問の記録はもとより、商談を時系列で追跡し、的確な指示を出すための「スケジュール管理」も標準的に備えている。しかも、もともとユーザー自身が使いやすいようカスタマイズできることがSaaSの前提となっているため、その企業のワークフローに合わせて柔軟な変更も行える。

 現場の経費で導入できる利用料もSaaSの魅力であり、今後普及に弾みがついていくことだろう。

●SFA導入前 各営業スタッフと管理者の足並みがそろわず受注までの時間短縮や効率向上を阻害

営業部門が大所帯であればあるほど、現場の統括や進捗...

営業部門が大所帯であればあるほど、現場の統括や進捗管理の困難が増す。これは営業マネージャー共通の悩みだろう。報告書やミーティングの数を増やしても、決してその分生産性が上がるというわけではなく、貴重な営業スタッフの時間をただ浪費する結果にもなりかねない。営業スタッフ自身も、担当する案件の数が増えれば増えるほど、自身の業務に対する判断が甘くなり、点検に十分な目配りがしにくくなりがちだ。(画面クリックで拡大)

●SFA導入後 営業活動のデータベース化により、現場と管理者の意思がリアルタイムで同期

多くのSFAでは、すべての営業活動が共用データベースで一....

多くのSFAでは、すべての営業活動が共用データベースで一元化されるため、単に活動記録が残るだけでなく、BI( ビジネスインテリジェンス)機能などによって集計やグラフ化、シミュレーションまでも可能。これによって業務成果をまとめる作業が自動化されるだけでなく、リアルタイムで共有できることから、レポートの作成や社内ミーティングなどに割く時間を大幅に減らすことができる。専任のシステム管理者を置いていない現場の場合は、導入も運用も容易なことから、SaaS型SFAの選択が適しているだろう(画面クリックで拡大)

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